いまさら言うまでもないことだが、パソコンのメリットのひとつに「ソフト資産の(再)活用が容易」ということがある。自分で書いた文書やWebページをハードディスクなどにどんどん保存し、必要なときに取り出して、別の形に再加工するといったことが簡単にできる。保管して閲覧することに関していえば、逆に紙媒体の方が優れているかもしれないが、再加工では圧倒的なアドバンテージがあるといってよい。
ただし、このアドバンテージは目的の文書を“必要なときに取り出せる”ことが、絶対的な前提になる。元になる文書を取り出せなければ、再利用もへったくれもないからだ。ところが、この“必要なときに取り出す”ことが、実は最も大変だったりする。
もちろんこれは、関連ファイルをフォルダ分けするなど、常日頃の文書管理をしっかりするとか、できるだけ文書フォーマット(ファイル形式)を統一して検索をかけやすいようにしておくとかで、ある程度対応することはできる。しかし、あくまで“ある程度”であって、自ずと限度がある。
しかも通常の検索では、複数のファイル形式を横断しての検索ができなかったり、また検索文字列に完全に一致したものでないと拾ってくれなかったりといううらみがある。同じような意味の言葉のうち、どれを使ったかわからないといったときには拾いづらいのだ。もちろん正規表現やあいまい検索を使う手はあるが、これらを使って目的の語句を拾うのも、さほど簡単なことではない。
そんな検索の問題を一気に解決してくれるのが「Concept Search」だ。文字列の一致ではなく、キーワードの内容(Concept)で検索するので、文字列が厳密に一致していなくても、関連のありそうなものを拾ってきてくれる。したがって、キーワードには単語だけでなく、文章を指定することも可能だ。
検索結果はキーワードとの関連性が高い順に表示されるので、多くの候補が抽出されたとしても、その中から目的の文書を探し出すのも簡単だ。また、キーワードに含まれる語句に「重み」を設定できるので、キーワード中のどの語句を重視するかによって、より目的の文書に近いものが上位に表示されるようになる。
対応する文書形式が多彩なのも、重要なポイントだ。「Concept Search」ではテキスト/HTML文書をはじめ、「一太郎」「三四郎」「花子」「Word」「Excel」「PowerPoint」「Lotus 1-2-3」などのアプリケーション文書、PDF、リッチテキスト、さらに「Shuriken」「Shuriken Pro」「Outlook Express」「Becky! Internet Mail」の各メールソフトのメッセージと添付ファイルも検索対象にできる。つまり、どんな形で保存されているかにかかわらず、必要な情報を拾い上げられるわけだ。
検索速度の速さもうれしい。あらかじめ登録した検索フォルダの文書データベースを作り、そのデータベースに対して検索を行うので、ディスク内のファイルを一つひとつ当たるより遙かに短時間で検索できる。データベースの更新はスケジュール設定できるので、最新の状態で検索を行うことが可能だ。
文書、特に自分で書いた文書は、この世に二つとない重要な資産だ。「Concept Search」は、それを最大限に活用するための強い味方になってくれる。