2005年のベストオンラインソフトには(つい最近登場したばかりだが)「Partition Manager 7.0 Professional Edition」を挙げたい。ハードディスクのパーティション操作のほか、ハードディスク間コピーやデフラグ機能までも搭載した、ハードディスクの総合メンテナンスユーティリティだ。
(パソコン関連)ライターという稼業をしていると、ハードディスクデータのバックアップやリストア、環境の移行、ハードディスクの引っ越しといった作業を行う機会が結構頻繁にある。例えばソフトウェアのレビューでは、発売前のβ版ソフトをインストールしなければならないことも多い。β版などをインストールした状態の環境では、他のソフトの動作に不具合が生じる可能性がある。このためレビューの際には必ず、クリーンインストールしたOSを使う。ところがWindows XPは、セットアップするのに優に1時間近くかかる。サービスパックやセキュリティパッチを考えると、半日仕事だ。とてもではないが、やっていられない。
こんなとき役に立つのが、パーティションのセーブ/リストア機能を持つソフト。一度クリーンインストールしたら、他のソフトを一切インストールしない状態で、とりあえず別のパーティションや別のハードディスクにその内容を「バックアップ」する。この作業が終われば、バックアップ元には他のソフトやハードウェアをいくらインストールしてもかまわない。ソフトの評価終了後に、バックアップ元から戻せばよい。
「Partition Manager」は、この作業が実にやりやすい。まず、元のパーティションがWindowsのシステムパーティションであってもかまわずバックアップでき、さらにバックアップ先のハードディスクからでも直接起動できる。これは、ハードディスクそのものを引っ越す際に便利だ。また、Windowsが起動しない状態でも、パーティションのコピーができる。万が一、Windowsが壊れて起動しなくなってもすぐに復元できるわけだ。
さらに注目したいのが、Windowsを起動しなくてもUSBやIEEE 1394接続のハードディスク、シリアルATAやRAIDなど特殊な使い方をするハードディスク内のパーティションを複製できること。これもまた、常に最新のハードウェアを使い続ける宿命を負うライターには便利な機能だ。
実際、これまでのコピーソフトだと、Windows内からコピーできるのはよくても、Windowsが起動しないときはDOSベースで起動されるため、USB接続のハードディスクなどが見えなかったり、バックアップに時間がかかったりといったことも多かった。そうした悩みがすべて解決してしまったのだから、まさに筆者にとっては“福音”といえるソフトだ。
もちろん、ライター以外のユーザにとっても「Partition Manager」は実に便利だ。ハードディスクの故障時はもちろん、パソコンの使用環境の変化によるパーティションの容量不足などには、すぐにパーティションの分割具合を変更できる。ハードディスクの交換時にも役に立つし、デフラグ機能などもうれしい。まさに「困ったときには必ず役に立つソフト」といってよい。転ばぬ先の杖として、ぜひとも用意しておきたい一本だ。