白銀の世界を舞台に、心優しい少年ケイトの冒険を描いたドラマティックRPG
「随分古い本を持ってきたんだねえ・・」
暖炉の前の椅子にゆったりと腰を落とした一人のおばあさんが、懐かしそうに目を細めました。
少女はかび臭い本を手にし、どんな冒険が始まるのか期待に胸を膨らませながらおばあさんに言います。
「ねえ、読んで聞かせて」
「そうだね・・・。少し長いけれど読んであげようかね」
少女がおばあさんの側に座ると身を乗り出して、本をのぞきこみます。
おばあさんは焼けて黄ばんでしまっているページをゆっくりとめくり、静かに話し始めました。
「これは誰も知らない世界のお話。
この世界はとっても不思議な世界です。
空の色は紫色。その紫の空には二つのお月様。
そしてその空からは雲もないのに
真っ白い雪がちらちらと降っています。
この世界の人々は、雪の事を月の落とした涙だと考え
「月の涙」と呼んでいました。
今日も雪―――――――
「月の涙」はシンシンと静かに世界に降り積もって行きます。」
おばあさんの語りと共に始まった物語に少女は引き込まれて行きました。
この本の主人公、ケイトはその不思議な世界で一体どんな冒険をするのでしょうか。
さあ貴方もこの古い本のページを開いてみませんか。
※このゲームはエンターブレインコンテストパークWeb2007年秋号金賞受賞作品です。