まず、筆者なりにスケジューラを大きく五つのタイプに分類してみた。
- 高機能・多機能、これ一本でバッチリタイプ
- 高機能だが、どちらかといえば「手軽さ」を標榜タイプ
- 一味違うユニークなタイプ
- アニメ等を使い、ビジュアルに凝ったタイプ
- デスクトップマスコット的要素が強いタイプ
下にいくほど趣味性が強くなってくるが、だからといって実用にならないというわけではない。使う人のスケジュールの過密さとズボラさ、それに画面を含めたユーザインタフェースが気に入るかどうか――これに尽きる。スケジューラの条件として、筆者は以下に挙げる要素が必要なのではないかと考えている(ただし、多大なる独断と偏見が入っているので、誰もがこの条件に合致するスケジューラを探す必要はない。あくまでも私見であることに留意してほしい)。
- 瞬間的にスケジュールの入力ができる
- すぐに参照できる
- 段階的な通知機能がある
- メンテナンスが楽
- 記録が残せる
- 進行表が作れる(あるいは見える)
スケジューラとして考えた場合には予定管理だけですむが、総合的なPIMソフトとして考えると、また別の機能がほしくなってくる。例えば個人・会社別の住所録とか、スケジューラ中から住所・電話番号がリンクできるとか、単位換算電卓が付属しているとか(理想を追い求めると電子手帳のようになってしまうかもしれない)。あまり欲をかいてばかりいると、いいかげんにしろ! と言われそうなので、このへんにしておこう。
以下のページでは、実際にどのようなスケジューラがあるのか、タイプ別に見ていこう。
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- 1. 瞬間的にスケジュールの入力ができる
- (1)カレンダーウィンドウを開き → (2)スクロールバーを使って目的の日付を出し → (3)そこをダブルクリックしてメモパッドに書き込む、という方式では、ちょっと面倒。
- 新規付箋紙に書き込むのと同様に、予定の日付、時間、内容を書き込むことができないなら、メモ帳や付箋紙にスケジュールを箇条書きした方がいい。タスクトレイに常駐し、右クリックで新規スケジュール入力ができるのが理想。
- 2. すぐに参照できる
- カレンダーの日付部分にマーカーを付け、これをダブルクリックするとスケジュールメモを表示するというタイプのソフトはよくあるのだが、複数のスケジュールを同一日に設定しているときに困る。
- 書き込んだスケジュール、あるいはメモをすぐに参照できるためのポインタが画面上のどこかに出ていてほしい。ポインタをどうにかすれば、知りたいスケジュールがすぐに参照できるか、あるいはタイトルだけでも2週間以内の予定はすべて画面に表示するなど機能がほしい。
- 3. 段階的な通知機能がある
- スケジュールをどう書き込み、どのように表示したところで、忘れる人は忘れるもので、そういう人のためにもポップアップ+アラームで通知する機能はほしい。これも一度だけではなく、1ヵ月前、1週間前、3日前からは毎日、とかいう段階的な表示を行うことができるもの。どの程度の頻度で設定するのかはユーザの指定する方法で選べた方がよい。
- 4. メンテナンスが楽
- スケジュールの変更やキャンセルはよくあること。記述内容の修正・変更・削除作業も簡単にできて、すぐに反映されると使いやすい。日付から予定を呼び出すのではなく、予定の一覧から選択して修正・変更ができるような方式が筆者は使いやすい思う。
- 5. 記録が残せる
- 「過ぎてしまったスケジュールにはもう用はない」と思う人も多いかもしれないが、実際には行動ログとして使われることもある。何月何日に何をしたか、をあとから参照するというものだ。だから、予定日が過ぎたからといって消してしまってはいけないこともある。しかし、いつまでも過去のスケジュールを残しておくのも、また意味のないこと。そこで、過ぎた日のスケジュールを、
- ○月○日○時○分 …… AでBする
- ×月×日×時×分 …… CでDする
- △月△日△時△分 …… EでFする
- のように、一覧にして表示してくれるような機能があると非常によい。
- 6. 進行表が作れる(あるいは見える)
- モノを作る、仕上げる――そういう仕事に使うには、スケジュールをかたっぱしから入力していき、進行表を参照しながら作業ができると実にありがたい。筆者の周辺、例えばライターとか編集者、デザイナーなどは進行表なしで仕事はできないといってもよい。
- ただし、進行表もときどき修正を迫られることもあるから、表示した進行表をダイレクトに書き換えることができるとなおよい。さらに欲をいえば、進行表そのものを任意に作成できるスケジューラがあるといいと思う。
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