簡単な設定で高度かつ強力な振り分けが行なえる、メールのルール管理も特徴の一つだ。ルールは、プレビューで確認しながら、ウィザード形式で設定する事が可能。例えば、
- 「本文に定義された単語を含むメールをフォルダに移動」などの「基本ルール」を選択
- 「私の名前はCcフィールドに存在します」などの「このルールに関する状態」を選択
- 「フォルダに移動」などの「このルールのための作業」を選択
- 「自分のみに送信された場合を除く」などの「ルールの例外」を選択
- ルールの名前をつける
といった一連の操作でルールを作成できるようになっている。
その他にも、
- Microsoft Outlook、Outlook Express、Windows Mail、Windows Live Mail、Thunderbirdなど、主要メールソフトからのデータインポート
- メール、連絡先などのほか、添付ファイルも対象にできる高速な検索
- メールの一括送信、予約送信
- 主要サービスに対応したチャット
等、多彩な機能を搭載する。
今回、ご紹介した「eM Client」だが、1,000,000以上のユーザの導入実績があることからもわかる通り、長い歴史を持っている。初版がリリースされたのは2007年11月。インタフェースが日本語化される前から、日本国内でも一部ユーザの間では高い評価を得ていた模様。
メールにカレンダー、タスク管理、連絡先管理も搭載したPIMソフトではあるのだが、どちらかといえば「高機能メールクライアントにPIM的な機能が追加されたソフト」といった印象。どの機能も便利なことには間違いないが、あくまでも中心はメールの送受信・管理機能にあると思う。
なんといっても、Gmail等との同期が簡単なのがよい。メールアドレスの入力等、ごくごく簡単な設定ですぐに使い始める事ができる。
フリー版では2アカウントまでしか使う事ができないが、一般的な利用ならそれでも十分だろう。30日間の体験期間終了後、さらに利用を継続したい場合は無料ライセンスを取得する必要がある。「ビジネスなどで数多くのアカウントで使いたい」場合には製品版が用意されている。企業内では、WindowsとMacの両方を利用する事もあると思うが、それぞれのライセンスを別々で購入する必要はなく、10PCライセンスを購入した場合、同じライセンスでWindows5台、Mac5台と購入したライセンス利用数分の中で利用する事ができるので便利だ。
また、Mac版はWindows版と異なる点として以下の機能が搭載されていないので、利用時には事前に注意が必要だ。
- S/MIME 証明書
- Exchangeアカウント認証のシングルサインオン
- NTLM認証(一部のExchange サーバー)
- パブリックフォルダ(Exchange)