パソコンの中にあるものなら文書ファイルであれ、メール文面やアドレス帳の情報であれ、区別することなく検索できるソフト。まずアプリケーションを起動し、そこからファイルを開いて中の情報を探すのではなく、統合化された検索センターを利用することで一気に情報を引き出すという、いわば目的志向型のアプローチだ。以前、同様のアイデアで「OSのシェル自体がそうした総合検索ツールになればよいのに」という趣旨の一節を雑誌向けの記事に書いたことがあるのをふと思い出した。さすがにシェルと一体化とはいかないが、「Copernic Desktop Search Lite」はそれにかなり近いところまで行っており、“Desktop Search”というネーミングも納得できる。
こうしたソフトの利点としては「情報の網羅性に優れている」ことが挙げられるだろう。簡単な例でいうと、レポート用のワープロ文書と、そこで利用する付随ファイルや基礎資料(画像やスプレッドシートのファイルなど)といったデータまで拾い上げることが可能で、個別に探す必要がない(ファイルの命名規則などに統一性は必要だろうが)。
網羅性が上がると反面、ノイズ(むだな情報)が増えるというのはデータ検索における一般的な傾向であり、検索結果からさらに選別するという手間を必要としがちなのだが、「Copernic Desktop Search Lite」では、データ形式を選択したり、さらに形式に応じた絞り込み条件を設定したりすることでカバーしている。よく使う設定はMy Searchesドロップダウンリストから簡単に選べるのも便利だ。
インデックスの作成にある程度時間を要するので、テキスト検索ソフトのように「インストールしていきなり実行」というわけにはいかないが、アイドルタイムを利用して自動で作成してくれるので、あらかじめ余裕をもってインストールしておけば問題ない。
なお、筆者のテスト環境では、検索結果の並べ替えを行った際にリストが消えてしまうという現象が見られた。確実に発生するというわけではなく、また何かの拍子に表示が復活する場合もあり、はっきりしたことはわからないが、念のためご報告しておく。
(福住 護)