Windows 7とWindows 8との操作性の違いで大きなものといえば、「スタートボタンの廃止」と「スタートメニューからスタート画面への変更」だ。機能面の変更まで含めればより大きなものもあるのだろうが、とにかく触れてみて最初にわかる違いが、この「スタート」機能だろう。最近登場したWindows 8.1では、Windows 8でスタートボタンを廃止したのがよほど不評だったのか、再びスタートボタンが復活した。しかし、そのスタートボタンをクリックしても、表示されるのはスタートメニューではなく、スタート画面。多くのユーザが期待したものとは違う機能であるためか、「コレジャナイ」スタートボタンなどと揶揄されることもあるようだ。
しかし、このスタートボタン+スタート画面の件を除けば、実はWindows 8/8.1の追加機能には魅力的なものが多い。従来よりはるかに柔軟なハードディスクの使い方ができる「記憶域プール」やUSBメモリを暗号化して持ち運べる「BitLocker」、コンピュータ内に複数のコンピュータを仮想的に作り上げられる「クライアントHyper-V」、仮想ディスクファイル(VHD)からの起動や、ダブルクリックだけでできるISOファイルやVHDファイルのマウント……などがあり、そのほかにも強化機能は数多い。「スタート」が使いづらいというだけで、これらの魅力的な新機能を使わないのはもったいない。
そこで「Back To XP for 8」だ。このソフトなら、Windows 8/8.1で多くの人が気にするであろう「スタート」機能の違いだけをピンポイントで解消できる。Windows XP風、Windows Vista/7風、Windows 95/98/Me風が選べることで、これまで使っていたOSがWindows 7であった人や、Windows XPの「クラシック」テーマを使っていた人にも違和感なく対応できる。強力なカスタマイズ機能のおかげで、これまでスタートメニューをカスタマイズしていた人でも、同じようなスタートメニューを実現することが可能だ。
「機能は魅力的だけど、使い勝手が……」という点ではOfficeについても同様。Office 2007以降の「リボン」インタフェースにはまだまだ慣れない人も多いだろう。しかし「Back To XP for 8」ならば、Officeでも違和感を解消できる。あと半年と迫ったWindows XP+Office 2003のサポート期限切れに備えるためにも、検討に値するユーティリティだろう。
(天野 司)