開発の動機
透過体をさまざまな角度、光の当て方で見てみたいというシンプルな目的のために制作したプログラムです。ダイヤ、エメラルド、サファイアなど、現実的にはなかなか本物を観察することは難しいものです。それでも手元にパソコンがあれば、計算の力でスクリーン上に再現することはできるはずと思い、作っていきました。
光を通す物体の描画は時間の掛かる処理になりますが、できあがったそれぞれのイメージをまとめてGIFファイルにすることにより、簡易的なCGアニメーションも作成できます。
開発中に苦労した点
プログラム開発途中の段階では、計算にミスがあったり、数値処理が甘かったりすると、描画された石に「キズ」が付いたり、光の反射が乱れてしまったり、そういうものを一つひとつ見つけて、一つひとつ取り去っていくという地味な作業が長く続きました。それらを経て、少しずつ石が光りはじめたとき、ああもしかして、宝石の研磨技師も同じ光景を見ているのだろうかと、多分勘違いな感慨を覚えたのを思い出します。
前作のポリゴン多角形表示プログラムの「システム・ターコイズ」をベースに制作したもので、前作同様「何の役に立つ」というものでもないのですが(汗)、一度見てもらって、少しでもおもしろいと感じていただけたら幸いです。
(田村 太一)