ソフト本体なしでも実行可能な「出張スライドショウ」ファイルを出力できるプレゼンソフト。「文字イン文字」「ポリゴン文字」など、ユニークな機能を搭載する。「プレゼン専科」は、スライドショウ形式のプレゼンテーション用ファイルを作成するためのソフト。画面上に文字や図形で描いたスライドを作成し、スライドの切り替えによってプレゼンテーションを行う。表現力の高い文字装飾・図形編集機能に加え、実行中のプレゼン画面に表示できる「指示棒」機能などが用意され、わかりやすいプレゼンテーションを行える。実行時の時間を計測し、入念な事前準備を行えるリハーサルモードを搭載する。
メイン画面(システム画面)は、
- リボン形式の「メニュー」
- スライドの「編集エリア」
- スライドのサムネイルが表示される「スライド一覧エリア」
で構成される。メニューとスライド一覧エリアは、必要に応じて非表示にすることも可能。編集エリアには「ズームコンソール」と呼ばれる大きなボタンが用意され、「+」「−」のボタンやドラッグ&ドロップ、コンテキスト(右クリック)メニューなどの操作で、簡単にスライドの表示倍率を変更できるようになっている。スライドの編集方法は、ドロー系グラフィックソフトに似たオーソドックスなもの。リボンの「オブジェクト」で「挿入」ボタンをクリックするとドロップダウン形式のパレットが表示され、線や図形、吹き出しなどのオブジェクトで図を描いたり、テキストを入力したり、画像を読み込んだりできるようになる。
オブジェクトを選択すると、さまざまなハンドルが現れ、拡大・縮小や回転などを行える仕組み。さらに「折点(図形を構成する線を結ぶ点)」と呼ばれるハンドルを移動したり、追加したりすることで、複雑な曲線を編集することもできる(折点は、初期状態では固定されており、大幅な編集はできない。逆に編集が終わったオブジェクトは、不用意に変形しないよう、折点を固定できる)。
オブジェクトには、内面色(オブジェクト内の塗りつぶし)や輪郭線の太さ、線種、色、直線・曲線の両端の矢印、ドロップシャドウ(影)の位置や色などを指定することが可能。複数のオブジェクトの位置を揃えたり、高さや幅を揃えたりもできる。既存の画像をオブジェクトとしてレイアウトする場合は、複数の透過色を設定すれば、写真のように微妙な色の違いがある画像でも、きれいに処理することが可能だ。
テキストオブジェクトにも輪郭線の太さや色、内面色などを指定することが可能。太字や下線、字消し線といった装飾や文字揃え、行間の指定なども行える。さらに、入力した一文字だけをアウトライン形式で表示・編集できる「ポリゴン文字」や、テキストの内面色部分にさらに小さな文字をテクスチャパターン風にレイアウトできる「文字イン文字」などの機能も用意され、装飾性の高い表現を可能にしている。
「スライド一覧エリア」では、新規スライドの作成や移動、コピーなど、スライドショウ全体の編集を行う。スライド間の画面切り替え時には、フェードイン/アウト、クロスフェード、ワイプ、インターレースなどの効果を指定できる。
スライドショウの表示は、本番とリハーサルとに大別され、本番ではさらに、先頭からの開始か、現在のスライドからの開始かを選択できる。リハーサルには、
- 本番同様にプレゼンを実行し、所要時間を計測する「時間計測」
- スライドごとの所要時間でプレゼンを自動実行する「自動切り替え」
の二つのモードがある。「自動切り替え」時間の設定では、スライドごとの表示時間をドラッグで調整したり、数値で直接指定したりすることが可能。「時間計測」モードで測定された所要時間をもとに、スライドごとの表示時間を設定することもできる。スライドショウの実行中には、長さを三段階で変更できる「指示棒」を表示させることが可能。スライド上を指したり、ペンツールのように(一時的に)絵を描いたりでき、プレゼンをよりわかりやすく進めることができる。
スライドショウ全般のオプションとしては、
- 開始時のメニュー表示
- 終了時のメッセージ表示
- リハーサル中に終了予定時間を予告(予鈴)や発表時間終了の通知
などを設定できる。終了時のメッセージは、あらかじめ用意された2種類から選択できるほか、任意のテキストを表示させることも可能だ。できあがったスライドショウは独自形式(*.PSS)で保存できるほか、イメージファイルやPDF形式ファイルに出力することも可能。PSS形式ではすべてのスライドを、またイメージ/PDF形式では全スライドまたは現在選択中のスライドのいずれかを選択して出力できる。
印刷では、対象ページ(スライド)の指定や、用紙1枚に印刷するスライドの数、印刷方向などの指定が可能だ。
EXE形式の「出張スライドショウ」ファイルを作成すると、「プレゼン専科」がインストールされていないパソコンでも、スライドショウを再生できる。