風刺の効いたシナリオと、乾いた笑いを誘うような一部登場人物の発言など、ちょっとブラックなユーモアも含まれた、ユニークな落ち物パズルゲーム。物語の随所に散りばめられた、ちょっとした薀蓄も興味深い。異色のストーリーも魅力だが、ゲームそのものもよくできている。ベースとなっている一般的なルールと操作に、独自のシステムを付け加えることで、初心者から上級者まで幅広く楽しめるゲームに仕上がっている。ただひたすらブロックを揃えるだけでなく、スキルを駆使して不要なブロックを消滅させたり、ピンチを切り抜けたりできることで、変化に富み、飽きがこない。ストーリーもアクセントになっており、単調さを防いでくれている。
キャラクタを育成できることで、「落ち物パズルが苦手でも、無理なくステージクリアできる」システムもよく考えられている。ゲームの難易度をいつでも自由に変更できるのもうれしい。難易度を最高の「達人」に設定すれば、上級者でもかなり手こずるだろう。それでも物足りないプレイヤーには、「ハイスコアモード」で10億点を突破すれば、上級者向け鬼仕様の「ドライアイスモード」に突入できる。
(秋山 俊)