対応アプリケーションリストの自動アップデート機能などが追加され、さらに便利に、使いやすくなった「CrossOver Mac」の新バージョン。「CrossOver Mac」は、Windows互換APIを利用することで、Intel Mac上でのWindowsアプリケーションのネイティブ動作を可能にする互換レイヤ。Windows OSのインストールは不要で、軽快に動作することが特徴。新バージョン「10」では、アプリケーションリストの自動アップデート機能が追加されたほか、正式に対応していないアプリケーションも、「CrossTie」ページからワンクリックでインストールできるようになった。
「CrossOver Mac 10 Standard」が正式対応するアプリケーションは数多い。Microsoft Office(「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」)や「Internet Explorer」、ジャストシステムの「一太郎」シリーズといったメジャーなアプリケーションの新旧バージョンが含まれる。アプリケーションのインストールは、一覧リストから使いたいものを選ぶだけで簡単に行える。新バージョン「10」では、対応アプリケーションリストの最新版を自動的にアップデートする機能が追加され、より利便性が高くなった。
正式対応していない(リストにない)アプリケーションも「CrossTie」ファイルを利用することで、簡単にインストールできる。CrossTieは、アプリケーションのインストールや実行を正常に行うための情報が記述されたXML形式のファイルで、前バージョンの「C4P(CodeWeavers CrossOver Compatibility Center Profile)」から名称が変更された。多数のユーザが作成したさまざまなCrossTieファイルを、CodeWeavers社のデータベースからダウンロードして、誰でも利用することが可能。新バージョン「10」では、CodeWeavers社のデータベースとの連携が強化され、Webページからアプリケーションを選ぶだけで、簡単にインストールできるようになった。
CrossTieにないアプリケーションでも、インストーラファイルまたはフォルダ/メディアを指定することで、手動インストールを行うことが可能。インストール操作は、
- 「CrossOver ソフトウェアインストーラ」ウィザードで、インストールするアプリケーションを指定する
- インストーラの場所を指定する
- ボトル(インストール先)を選ぶ
- (必要な場合)CD/DVDメディアをセットする
の4ステップで完了する。CD/DVDのAutorunにも対応し、メディアからのインストールも自動で実行できる。ボトルは、いわばWindows OSの代役を務める仮想Windows環境。Windowsのバージョン(Vista/XP/2000/98)別に用意されている。対応アプリケーションでは、インストール時に最適なWindowsのバージョンが自動選択されるが、ユーザが任意のWindowsを指定することも可能。ボトルを複数用意すれば、異なるバージョンのWindows環境のアプリケーション(Windows Vista対応とWindows 2000対応など)を共存させることもできる。
インストールされたWindowsアプリケーションの起動は、(1)「プログラム」メニュー、(2)「CrossOver Mac」フォルダ内のアイコン、(3)Dock上のアイコンのそれぞれから行うことが可能。起動したアプリケーションは、Mac OS X上のひとつのウィンドウとして動作する。Mac OS X用のアプリケーションや、異なるボトルのWindowsアプリケーションをデスクトップに共存させて使用することが可能だ。
そのほか、WindowsとMac OS Xの操作環境をよりシームレスに行うための設定として、「Windowsアプリケーションとクリップボードを共有する」ことができるほか、Windowsの【Alt】キーを左右の【option】キーに割り当てることもできる。