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柔軟な発想と豊かなサービス精神から生まれた「パズルゲーム」の魅力 もっとパズルを!! |
パズルには、「遊ぶ」だけでなく「作る」という楽しみ方もあります。多くの支持を勝ち取るパズルは、プログラムを組む能力や、パズルがどれだけ好きかというだけで生まれるものではありません。また、たくさんの人がその作品作りに関わったというだけで、面白いものになるわけでもありません。
パズルが大好きな人が、自分もパズルという形で「人を楽しませてみたい」と思ったとき、初めて、誰もが楽しめる作品が生まれます。 今回紹介したパズルから共通に感じとれるのは、作者の卓越した柔軟な発想と、豊かなサービス精神です。キラリと光るシンプルなルールを、より分かりやすく、より楽しみやすく演出していることが、それぞれの完成度につながっています。ルールと操作性と演出との間に、的を得た合理性が感じられます。これらがバランスよく相乗効果を上げている作品こそが、多くの支持を集め、愛される作品となるのでしょう。 市販のビデオゲームは、より多くの人が制作に参加し、より大掛かりな演出を求められるようになってきています。演出面が大きくクローズアップされる中、演出すべき核の部分への期待よりも、演出への期待の方が、作品の評価につながりがちです。Windowsの時代となった今、フリーソフト、シェアウェアのゲームにも、よりビジュアルで大掛かりな演出を期待してしまう面が、確かにあります。けれど、パズルゲームに関しては、その必然性は割と薄いでしょう。シンプルなルールこそがパズルの命であることは間違いないからです。その意味において、今後もパズルに関しては、個人レベルで作られるフリーソフト、シェアウェアの世界は、まさに宝の山であり続けるでしょう。 上質のパズルは奥行きを感じさせ、長くつきあうことができます。既存の作品も、インタフェースやデザイン、あるいはルールの一部に少し手を入れることで、まったく新しい作品へと進化していくことがあります。まだまだパズルの未来には楽しみがつきません。
(森辺 訓章)
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※ この記事は '97年9月12日 に公開されたものです。 (c) 1997 Vector Inc. |