アドベンチャーRPG風のホラーゲーム。戦闘で経験値を稼ぎ、キャラを育成しながら洋館内を探索して、フラグを立ててゆく。戦闘はターン制で、基本的には一般的なRPGでの戦闘と変わるところはないが、後半になるまで亡霊や悪霊などの“実態を持たない敵”に対しては「神無月」しかダメージを与えることができないのが特徴。神無月の気力が0になってしまうと、そうした敵に対しては戦力が0になるので、注意が必要だ。
操作は、昔のアドベンチャーゲームなどではよく見かけたタイプ。現在ではレトロなスタイルだろう。マウスを使うことなく、キーボードだけですべての操作を行えるようにするための工夫ではあるが、慣れるまでは少しだけ面倒に感じるかもしれない。筆者は、しばらくプレイするうちに大体の部分には慣れたが、「移動」モードから抜けるのに【Esc】キーを使えない点は不便に感じた。
カーソルキーで直接、移動したり、方向転換したりができず、毎回決定キーを押さなくてはならないのは──不便ではあるが──幽霊屋敷内を恐る恐る移動している雰囲気があり、演出としての意図を感じた。
ゲームには常に適度な緊張感があり、かなりおもしろかった。セーブがキャンプでしか行えず、戦闘にも制限があって厳しいため、恐る恐る少しずつしか探索を進めることができないが、かえってその点がよい。マップを見ながら「次はどこを探索しようか」「何をすればよいのか」などを考えるのが楽しかった。シナリオにも意外性があり、おもしろかった。
ヒントや手がかりは一度しか見ることのできないものが多い。メモかスクリーンショットはマメに取るようにした方がよい。
(秋山 俊)