「クトゥルフ神話」をベースにした“怪奇幻想ノベルゲーム”。「『クトゥルフ神話』に触れるのははじめて」という方でも楽しめるよう配慮されている。うだつの上がらない探偵のもとに舞い込んだ奇妙な依頼
「クトゥルフの弔詞 〜夢声慟哭〜」は、架空の神話体系「クトゥルフ神話」を題材に、作者独自の解釈が若干、加えられた怪奇幻想ノベルゲーム。人類の理解を遙かに超えた存在に翻弄される主人公の姿が描かれる。ゲーム内で投げかけられる問いに正解することで、次の展開に進むことができるシステム。想定プレイ時間は3時間程度。
ゲームの主人公は、民間調査事務所を営む「堀口」という名の男。元同級生でデイトレーダーの「新井」曰く「超一流の超が引かれて、数字が少々足される」探偵だ。最近、近くの街に「宇賀神」という腕のよい探偵が来たこともあり、景気が悪い。
そんな堀口の事務所にある日、1枚のフロッピーディスクと依頼内容の書かれた便箋、そして大金の入った封筒が投函された。謎の依頼者の要望は「フロッピーに入っている九つのメモを書いた人物を捜してほしい」というもの。しかし、フロッピーに入っていた九つのテキストファイルの内容は、怪談じみた、荒唐無稽で奇妙な物語ばかり。「バカバカしい」と思いながらも「依頼は依頼」と、堀口は調査を開始する。
やがて堀口は、呪われた魚人や細長い胴体とコウモリの翼を持つ生き物などに襲われる、おぞましい悪夢を立て続けに見るようになる……。
物語の後半あたりから、それまでの内容をもとに問いが出題される
ゲームは一本道のサウンドノベル。物語の後半近くまでは、順不同に展開されるメモの内容を読み、堀口の調査活動や20年来の付き合いである新井との会話、そして堀口が体験する怪奇現象を読んで、ストーリーを進めてゆく。時折、本文中に色の付いた文字が登場し、クリックするとTIP(注釈)を読めるようになっている。
セーブやロード、履歴の表示などは、画面を右クリックして開くメニューで行うことが可能。メニューで「メモの内容」を選択して既読のメモを再読したり、10番目のメモである「邪神紹介」を開いて、各邪神の詳細な情報を得たりすることもできる。
ゲームも後半にさしかかるあたりからは、「ゲームポイント」として、それまでに記述されてきた内容をもとにした問いが投げかけられる。正しい答えを入力するとシナリオが先に進み、間違えるとヒントが表示される。何度も間違えると、かなり明確なヒントが表示されるようになる。それでも正解できなかった場合はバッドエンドを迎える。