簡単にいうと、国土地理院が作成・公開している各種地図(http://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)のためのビューアだ。オーソドックスな地図だけではなく、衛星写真を表示させたり、ユーザが作成したデータを書き加えたオリジナル地図を重ねて表示させたりできるのが特徴。標高図や白地図などを用途に応じて切り替えられるだけでなく、「年代別の国土画像情報を切り替えて、時代の変化を写真で見比べる」といった使い方もできる。縮尺(表示倍率)の変更にあたるズームレベルは18段階あり、背景地図の「詳細設定」では17〜15、14〜12といったゾーンを設けておおまかに切り替えられる一方、「より詳細な設定」では、ズームレベル1を除く各レベルに異なる地図を割り当てることができる(もちろん、これらの地図はズームレベルを変更すると自動的に切り替わる)。
インターネット経由で地図データ(タイル)をダウンロードするので、アプリケーション自体でデータを持つ必要がなく、最新のデータにいつでもアクセスできる点がメリット。その一方、新たに表示する地域やズームレベルによっては表示に時間がかかるので、利用頻度の高いエリアやズームレベルは事前にダウンロードしておくとよい。
アプリケーション全体の印象としては、わりと専門家向けといった感じ。特に、新規プロジェクトの作成やレイヤ作成の場面で登場するExcelデータのインポートについては、画面だけを見ていても筆者には何のことかさっぱりわらなかった。まずは公式サイトのサポートページ(http://www.mapcom.co.jp/DENKOKUROBO/support.html)を参照しておくことをお勧めする。
一度使い方がわかれば、さまざまな応用方法がすぐに思い浮かぶ。例えば「交通事故の多発地点や災害時に危険が予想される場所、避難場所などの情報を自治体などで集約し、Excelのデータから一気にマップを作成する」といったことが可能だろう。
(福住 護)