簡単・手軽に利用できる高機能暗号化仮想ドライブ作成ソフト。暗号化・復号化は自動的に行われ、ユーザが操作を意識する必要はない。「VeraCrypt」は、暗号化された仮想ドライブにデータを保存することにより、安全性の確保を図るセキュリティ対策ソフト。暗号化仮想ドライブの作成だけでなく、実際のボリューム(ドライブ)全体を暗号化したり、本来のOSを秘匿して偽装したりすることも可能。ファイルの読み書きを行うだけでその場で暗号化・復号化が行われるため、操作の手間が省ける。Windows、OS X、Linuxのマルチプラットフォーム対応。2014年5月に開発が終了したオープンソースの「TrueCrypt (7.1a)」をベースに作成されている。
割り当て可能なドライブの一覧は、メイン画面上部で確認できる。ドライブリストの下には「ボリュームの作成」「ボリュームのプロパティ」といった管理用のボタンが用意され、仮想ドライブを作成したり、マウント/解除などを行ったりできる仕組み。ボリュームの作成は、コマンド操作で行えるほか、ウィザード形式でも行えるようになっている。
暗号化ボリューム(ファイルコンテナ)は、
- VeraCrypt標準ボリューム(通常の暗号化ドライブ)
- VeraCrypt隠しボリューム
のいずれを選択して作成できる。暗号化アルゴリズムやハッシュアルゴリズム、ボリュームサイズ(仮想ドライブの容量)、パスワード、ファイルシステム(FATまたはNTFS)、クラスタサイズなども指定することが可能。暗号化アルゴリズムはAES、Serpent、Twofishと、それらを組み合わせた多段カスケードによる計8種類から選択・指定できる。ハッシュアルゴリズムはSHA-512、Whirlpool、SHA-256から選べる。仮想ドライブのマウント用として、パスワードのほかにキーファイルを使用することも可能。画像やマルチメディアなど、あらゆる形式のファイルをキーとして利用でき、キーファイルの生成機能も用意されている。キーファイルとしてフォルダを登録することも可能だ(フォルダ内のファイルがキーとなる)。キーファイルに指定されたファイルは、先頭の1,024バイトの内容が書き換えられるとキーとして使用できなくなる。
作成した暗号化ボリュームは、パスワードの変更やキーファイルの追加・削除、ヘッダのバックアップ/リストアを行うことが可能。ボリュームのマウント時には「読み取り専用でマウント」「リムーバブルメディアとしてマウント」などのオプションも選べる。
暗号化ボリュームを「お気に入り」に登録すれば、ドライブレターとファイルがセットとして扱われ、マウントの手間が省ける。さらに「ログオン時に『VeraCrypt』を常駐させ、すべてのボリュームを自動マウントさせる」といったことも可能だ。
そのほかにも、隠しOSの作成、(暗号化ドライブ/パーティションが読み込めなくなった場合の)レスキューメディアの作成など、多彩な機能を備える。