「生みの親」今林氏の声
「倉庫番」が生まれたのは1981年の桜の花びらが舞う春でした。いくつかの面を完成させた私は、知人や友人を家に招いてトライさせては楽しんでいました。ああでない、こうでないと、友人、知人が悩む姿を見ながら、ほくそ笑んでいたのです。当時の私はそれを売り出そうなどという大それた気持ちはありませんでした。
同じ年の落ち葉の舞い散る頃の話です。ひょんなことから、当時、操業をはじめたばかりのソフトウェア流通会社の営業マンの目に止まることになったのです。
粉雪が……舞ってはいませんでしたが、冬のことでした。「倉庫番」を見たその営業マンがひと言。「売れるから作れ」と。
瞬間、札が舞うビジョンに舞い上がった私はダビング機を買い込むや、早速、製品作りの準備をはじめたのでした。そして1982年、シンキングラビットという会社を作り、「倉庫番」を発売しました。
その後、30年以上にもわたり、ライセンス契約も含め、多くのハードウェアに「倉庫番」を移植することができました。えっ? 札も舞っただろうって? いままでさまざまなものが舞い散ってきましたが、残念ながら舞い散ったのは私の髪の毛だけでした。
そんなこんなで2015年、30年来の「倉庫番」ファンのみなさんとファルコン株式会社の協力を得て、「倉庫番」をリニューアルすることになりました。
作り続けた新作面もレベルアップしています。ぜひ、ご期待ください。
開発にあたって
というわけで、ご存じ「倉庫番」のWindows版です。今回は、イマドキのゲームには馴染まないご年配の方や、Windows XPで頑張っている方にも楽しんでいただきたいという考えで、レガシーなスタイルでお届けすることにしました。
さて、肝心の中身です。「倉庫番パーフェクト プラス」シリーズは、復刻された「倉庫番パーフェクト」の面に、新作面をプラスしています。中には圧倒的な難しさを誇る面もあり、苦戦される方も多いかもしれません。
しかし、挫折しても、また挑戦したくなるのが「倉庫番」。短期間で「あー、おもしろかった」というゲームではありません。「PCの片隅で、いつでもあなたの挑戦を待っている」──そんな友として、長く使っていただけることを願っています。
すべてをクリアされたとき、ぜひとも渾身のドヤ顔で「どうだ!」とのお便りをお寄せください。お友だちやご家族にトライさせてみてください。そしてその悩む姿を見ながら、ほくそ笑んでください。
(シンキングラビット)