歴史的な文献や事件を調べたり、小説や詩文を読んだりする楽しみを増やしてくれそうなカレンダーソフト。日付の指定は旧暦のほか、和暦、グレゴリオ暦、ユリウス暦にも対応し、「文献に記録された年号と日付を入力すると、それが現在の暦では何年何月何日にあたるのか」といったこともすぐにわかる。年賀状における干支や大安、仏滅などのごく一部を除き、現在では日常生活にあまり縁がなくなってしまった暦注や二十八宿(中国由来の天文情報)、二十四節気などの情報がまとめてわかるので、古典文学や歴史小説を楽しむ際の手助けになってくれそうだ。
和暦でカレンダーを指定する場合には、元号を指定すると「その時代が何年間続いたか(昭和だったら元年から64年まで)」がチップヘルプに表示されるといった細かい心配りもうれしい。例えば、応仁の乱で有名な応仁年間は3年までで意外に短かったことがわかるし、選択した元号が鎌倉時代、室町時代といった大まかな時代区分の中でどこに属しているか、その元号が何年からはじまっているかといったことも表示される。
本格的な天文シミュレータには及ばないが、日の出や日没の時刻、月齢などもわかるので、例えば「本能寺の変が起きた夜、月はどんな感じだったんだろう?」といったちょっとした疑問の答えを探すのも楽しそうだ。
(福住 護)