開発しようと思った動機・背景
小学生のときに、旧暦・六曜入りのカレンダーを眺めていて、六曜が旧暦の1日に不連続になっていることに気がつきました。そこで旧暦を求めてみたいと思ったのですが、天体の位置推算など,小学生に手を出せる代物ではないことがわかり、断念してしまいました。それから××年が経ち、長沢先生の「天体の位置計算」の本と出合ったことがきっかけで、旧暦と六曜を表示できるカレンダーを開発しようと思いました。開発中に苦労した点
まずは「天体の位置推算に欠かせない原子時計と、地球の自転による時刻との差であるΔTを将来にわたってどのように取り扱うか」を考えた点です。これに関してはStephensonの論文(1995)を基に将来のΔTの推算式を導出しました。次に、天保暦風の定朔定気法では避けて通ることができない「旧暦2033年問題」に対応するアルゴリズムの開発に時間がかかりました。これについては、通常は天保暦のルールに従うが、無理なときは中国の清の時代の暦法である時憲暦のルールを採用することで解決しました。
最近では、日家九星の決定アルゴリズムの確立に時間がかかりました。また、暦注下段については種類が非常に多く、選日法も時代や文献によって差異が大きいため、どれを採用するか迷いました。
お勧めの御利用方法
Windowsの通知領域(タスクトレイ)に常駐させておくと便利ではないかと思います。ユーザのみなさまがそれぞれの観点から利用していただければ光栄です。
暦による吉凶に関しましては迷信的なものとして信じておりませんが、昔の日本人の考え方や文化を知るひとつのきっかけにはなるかと思っています。また占術への適用につきましては、流派により差異が大きいため、参考程度にしていただければと思います。
今後のバージョンアップ予定
いまのところ具体的な予定はありませんが、何か思いついたときにバージョンアップしているかと思います。基本的には画面レイアウトや操作性に影響を与えずに、計算で求めることができる機能を追加してゆきます。また、関係法令の改正には極力対応してゆく予定です。
(K.Oka)