イケメンでお金持ちの主人公と「シャロン」とのやり取りが楽しい、心温まるノベルゲーム。はじめのうちはシャロンに翻弄され、必死にその状態から逃れようとするマクビーが、事件に巻き込まれるうちに、少しずつ心情が変化してゆく様子が丁寧に描かれている。グラフィックがとても美しい。総スチル枚数は22枚。トゥルーエンドクリア後のメニューからCGを選ぶと、好きなスチルを閲覧できるようになっている。クリックすることにより、スチルの表情の変化などを楽しめるのもうれしい。
スチル以外でも、跳び跳ねたり、ちょっとすねたりするシャロンの表情や動きが愛らしく楽しい。なんといってもシャロンの愛らしさ、奔放さが魅力になっている。
そのほか、クラブの店長や女A、シドなどの登場人物もよい味を出しており、作品にアクセントを付け加えている。
作品のテーマ上、やむを得ない最小限の不快な描写も存在するが、全体的に読後感のよい、爽やかな作品だ。筆者個人としてはバッドエンド(?)にも捨てがたい魅力を感じているので、トゥルーエンドだけでなく、ぜひ、こちらも読んでいただきたい。
(秋山 俊)