「単にファイルを削除しただけではデータそのものは消えていないため、復元ソフトを使って簡単に元に戻すことができる」ということは、多少パソコンに慣れた人ならご存知だろう。おかげで、うっかりファイルを消してしまってもなんとか助かるわけだが、逆に重要な機密は完全に消去してしまいたい場合もある。そんなときに役立つのが「シュレッダー」と呼ばれるタイプのソフトだ。「Securely File Shredder」の特徴は、ドラッグ&ドロップによる簡単操作と、そこそこ小ぶりなウィンドウにある気がする。見た目はなかなかかっこいいのだが、正直なところ、邪魔にならないというほどコンパクトではなく、単純な機能のわりには主張が強い。
その代わりといってはなんだが、実際にファイルをドロップするときにターゲットが小さすぎて神経質になる必要はない。
ごみ箱のイラストに向かって「Drag and drop...」と矢印が描かれているので、最初はイラストの上にドロップしなければならないのかと思ったが、実際にはそんなことはなく、ウィンドウ内であれば問題ない。
エクスプローラのコンテキスト(右クリック)メニューから削除するといった機能はないが、意識的にドラッグ&ドロップしなければならないのは“うっかり削除”を防ぐ意味では効果的だろう。
見た目にはあまり目立たないが、「ごみ箱」内の一斉消去ボタンは便利そうだ。不要なファイルを見つけるたびにいちいち消去してゆくと、そのつど確認のメッセージボックスが現れるが、「ごみ箱」内の消去なら1回だけですむ。「過去にごみ箱に入れたまま、忘れて放置していたファイルも完全消去してくれる」という点でも安心だ。
消去アルゴリズムのうち「Paranoid Method」というのはなじみがないが、FAQを見るとシュナイアー方式などをベースに組み合わせた「Securely File Shredder」独自のもので、ファイルのリンクなども消去してくれるらしい。
(福住 護)