Windowsアプリケーションとしてこれまでなじんできたウィンドウ枠やタイトルバー、ツールバーといった外観上の特徴を捨て去ったところが大きな特徴。特にフルスクリーンで使っていると、表示しているページによってはWebブラウザに見えないくらいに印象が違う。そのたたずまいは脱PC的というか、「タブレットやスマートフォンまで統合した新世代のブラウザとはこれですよ」とアピールしているかのようだ。もちろん、これにはフォントの表示品質が向上したことも大きく貢献している。ジャギーのないなめらかな表示はあまりに自然で、あっという間にすっと受け入れてしまうのだが、あらためてほかのブラウザと見比べると、その違いに驚くはず。こればかりは文章ではどうにも伝わらないので、ご自分の目で確認していただきたい。
実は昨年、「Sleipnir 4」のWindows版が登場したときに特集記事の執筆を担当させていただいたのだが、その際、外観がMac版とあまりに違うのに驚き、どうしてこのような形で差をつけるのかと内心いぶかった。
いまにして思えば、「フォント表示の改善なくして、新しい外観とユーザインタフェースは完成しない」というポリシーがすでにあったのだろう。そういう意味では、この「5」こそが「Sleipnir 4 for Windows」が目指していた本来の形なのかもしれない。
(福住 護)