山奥の寂れた村に伝わる「ことりおばけ」の伝説。かつて村の子どもたちが次々と失踪したという。この血生臭い伝説に巻き込まれた女子大生の運命は……!?両親の死をきっかけに故郷を訪れた主人公は、怨霊から命を狙われる
「霧雨が降る森」は、山奥の村を舞台にした探索型のホラーアドベンチャー。怨霊に命を狙われた大学生の女の子が魔の手から必死に逃れようとする姿が描かれる。父母の故郷で、失われてしまった子ども時代の記憶を取り戻し、ハッピーエンドへの道を探し出そう。
ゲームの舞台は、山奥にポツリと存在する寂れた村「阿座河村」。「神崎シオリ」は、大学に入って間もないある日、交通事故で両親を亡くして突如、天涯孤独となってしまった。遺品を整理していたときに、なぜか両親の部屋の時計の中に隠されていた写真を見つける。そこには幼い頃の自分と両親、祖父とおぼしき見知らぬ老人が写っていた。
天涯孤独と思っていた自分に縁者がいることを知ったシオリは、ちょうど夏休みに入ったことを利用して、両親の故郷の村を訪れる。ところが、祖父はすでに亡くなり、神崎の血筋の者は一人も残っていなかった。両親や祖父の面影を求めて村に滞在したシオリは、かつて村人たちに恐れられ、村の伝承の大部分を占める「ことりおばけ」の物語で、少しずつ幼い頃の記憶を取り戻す。そして自分と両親、祖父がその伝承に深く関っていることを知る……。
変わり者が管理する村の資料館に出入りするのはやはり変わり者ばかり
主な登場人物はシオリを含む四人。
「望月」は、阿座河村の交番に勤務する巡査で、シオリが最初に出会った村の人間。ほかの地方から配属されたため、村にはあまり馴染みがない。「おせっかい焼きでノー天気、親切と無神経の押し売り屋」とは佐久間の望月評。
「佐久間」は、「阿座河村資料館」(かつてシオリの祖父や両親が住んだ家で、祖父の死後、資料館になった)に入り浸っている中学生の少女。いつもセーラー服を着ている。遅くなっても家に帰らないことが多く、たびたび望月巡査に補導されている。村の有力者の娘のようだが、家族との折り合いが悪く、学校でもうまくいっていないらしい。
「須賀」は資料館の管理人。シオリとは同じ年格好だが、いつも黒ずくめの服で気難しく、人と打ち解けない雰囲気を漂わせている。人の言うことは聞こえるが喋ることはできないようで、返事はすべて筆談で返ってくる。館内を巡回する際に剥き身の刀を持ち歩いている(模造刀ということになっているが、実際には……?)。佐久間からは「黒い電柱みたいな、根暗でまじめすぎて、足の速いちょっと変な人」と評されている。
後半のアクションゲームでは小まめなセーブを
ゲームの内容はアドベンチャー+アクションゲーム。前半はシオリの家や資料館の中を移動し、シナリオを次に進めるための手がかりを探すアドベンチャー。一度手がかりを発見した場所では、シナリオが進んでから訪れた際に、手がかりとなるような物が存在すると光ることもある(ただし、必ず光るとは限らないので油断は禁物)。
ゲームの後半以降もアドベンチャーの要素は残るものの、アクションゲームの要素が強くなる。主人公が特定の行動を行うと、「ことりおばけ」の赤ちゃんをはじめとした亡霊が出現し、主人公を追いかけてくるようになる。追いかけてくる範囲は、出現した部屋の中だけの場合もあれば、マップ上のどこまでも追いかけてくることもある。
亡霊に接触してしまうと、夜光石のお守りのネックレスを持っているときは石が一つ割れ、お守りが一つもない状態で触れてしまうと、直ちにゲームオーバーになってしまう。