マインドマップは、雑多な情報を体系的に整理したり、問題点を大きなテーマから具体的な要素へと細分化したりしてゆくような作業に使われるツールだ。チャートを作成する作業そのものが考えをまとめたり、情報を分類したりする過程をサポートする役割を持っているため、一般的なドロー系グラフィックソフトとはかなり性格の違う、独特な特徴を持っている。ところが「EDRAWマインドマップ(無料版)」には、マインドマップではあまり使われそうのないイラスト的なオブジェクトも多数収録されて、一般的なビジネスグラフィックソフトとしても十分に使えそうだ。これらのオブジェクトは、もちろんマインドマップにも利用できるので、単純な樹形図や放射状チャートのみになりがちなマップにビジュアル的なインパクトを加え、プレゼンテーション用資料としての訴求力を高めるといった点でも役立ちそうだ。
もともと海外製のせいか、メニュー表記などにちょっと怪しい部分があり、ローカライズ版ということを知らずに使いはじめると、ちょっと混乱するかもしれない。例えば、テンプレート選択画面に出てくる「リップアート」はどうやらクリップアートのことらしいし、「フォマト」(おそらくフォーマット)とか「幾何データ」(オブジェクトの位置やサイズを数値指定する機能)など、たまに気になる語句がある。
訳語がヘンで機能や使い方がわからないというよりは、外人さんが覚えたての日本語を懸命に使いこなそうとしているようなたとたどしい感じで、筆者個人としてはなんだか妙に和んでしまった。ソフト全体を通じてヘンテコリンというわけではなく、ごく一部なので、使いこなしに支障が出ることはないだろう。マインドマップ自体にある程度なじみがあれば、すぐにでも使いこなせるはずだ。
(福住 護)