本文でも紹介したように、「Brynhildr」の作者・IchiGekiさんは、これ以前にも数多くのリモートコントロール系ソフトを開発している。今回の「Brynhildr」は、前作「TrueRemote」の後継ソフトという位置付けでもあり、また(現時点で)作者の手によるリモートコントロールソフトの集大成と呼んでもよいだろう。いまさらいうまでもないが、ネットワーク経由でほかのパソコンの画面を表示するリモートデスクトップソフトには、さまざまな種類のものがある。例えば、WindowsのProfessional以上のエディションに標準で付属する「リモートデスクトップ」や、フリーのリモートコントロールソフトとして知られる「VNC」、あるいはその各種派生ソフトなどが有名だが、「Brynhildr」の特徴は、なんといっても動作の軽さ=高速性だろう。
動作が軽いことで定評のあるWindows標準の「リモートデスクトップ」だが、「Brynhildr」の動作の軽さはこの「リモートデスクトップ」に迫るほど。さまざまなOSで利用できる汎用性が魅力の「VNC」などとは、動作速度の点では比べものにならない。「リモートデスクトップ」が画像そのものではなく、「描画リクエスト」を転送する方式であるのと比較すると、実際に描画された画像データを転送する「Brynhildr」の動作の軽さはまさに驚くべきレベルだ。
実際、「Brynhildr」の技術力はすごい。なにしろ「Brynhildr」は、マイクロソフトがワールドワイドで展開するMVP(Most Valuable Professional)アワードにおいて、日本人としては初めて「リモートデスクトップ」部門で受賞したほどなのだから。それがいかにすごいことかは、実際に「Brynhildr」を使ってみればすぐにわかる。いつでも誰でも手軽に使えるリモートデスクトップソフトとしてお勧めしたい。
(天野 司)