既存の用紙へきれいに印刷したいときに便利なソフト。この種のアプリケーションの典型といえば、なんといってもはがき印刷ソフトだが、あちらが基本的に官製はがきや年賀はがき、往復はがきといった「様式が決まっていて、パターンを選ぶだけでよい」のに対し、「ピッタリ位置合わせ印刷」では逆に、どのようなレイアウトでも自由に作り出せるところが大きな違いだ。下絵を読み込み、その上にレイアウトするので、操作は簡単。スキャナを使って、既存の帳票類をを直接下絵化することもできるし、読み込んだ下絵を画像として保存して、再利用するのも簡単だ。
はがき印刷ソフトにおける住所録に相当するものとしては「CSVメーカー」というツールが付属する。一覧表形式の画面は6列×16行と、扱えるデータは限られているが、CSVファイルを本格的に活用したい人であれば、すでに表計算ソフトやテキストエディタを使っているだろうから、特に問題はないはず。むしろCSVというデータ形式に不慣れな人のための入門用として、こうしたツールを提供している点を評価したい。
「ピッタリ位置合わせ印刷」では、データの保存先フォルダを選ぶことはできない。より詳しくいうと、レイアウトを画像として保存したり、下絵を保存する場合にはフォルダを指定することが可能だが、作成した「ドキュメント」の保存ではファイル名の指定のみで、フォルダを選べない(この仕様を補うためか、バックアップ用コマンドが用意されている)。逆にいえば「既存のレイアウトを開く際にフォルダを選ぶ必要がない」ということでもあるが、覚えておくとよいだろう。
(福住 護)