市販の伝票などを──手書きではなく──パソコンを使ってきれいに印刷・出力できるソフト。CSV形式のデータを利用した差し込み印刷も可能。「ピッタリ位置合わせ印刷」は、編集画面上に読み込んだ納品書・請求書・見積書などのレイアウトをトレースし、文字や画像をピッタリと配置して印刷できるユーティリティ。各種用紙の画像を下絵として読み込み、その上に文字や画像、図形を配置する。下絵として読み込んだ用紙を、配置した文字などと一緒に印刷することも可能。市販の用紙がなくなった場合でも印刷できる。
下絵用の画像は、既存の静止画を読み込んで利用できるほか、スキャナから取り込んで利用することも可能。読み込んだ下絵の位置を動かしたり、回転させたりして基本的なレイアウトを決定し、その上に文字入力用のテキストオブジェクトや画像オブジェクト、図形オブジェクトなどを配置する。
オブジェクトは、輪郭線の太さや線の種類、線の色、塗りつぶしの色などを指定することが可能。テキストオブジェクトでは、縦書き/横書き、水平および垂直方向の配置、折り返し、文字色、変形なども指定できる。
さらに、テキストオブジェクトにCSV形式のファイルを設定すれば、差し込み印刷を行うことも可能。CSVファイルの作成用として「CSVメーカー」というアプリケーションが付属する。
オブジェクトのレイアウトでは、ドラッグによる移動やサイズの調整、重なり順の変更、グループ化、複数オブジェクトの位置揃えなど、ドロー系グラフィックソフトと同じように操作できる。画像のトリミングや色相の調整、マスク、動画からの取り込みなども行える。
動画から画像を取り込むには、(1)まず、適当な静止画を使ってレイアウトを決定し、(2)コンテキスト(右クリック)メニューの「動画から...」で動画(MPG/AVI/WMV)を読み込んで、(3)一定の範囲から数枚の静止画を切り出し、(4)その中から一枚を選んで、静止画として貼り付ければよい。
印刷時には通常、下絵は出力されず、ユーザのレイアウトしたオブジェクトのみが出力される。印刷プレビュー画面で表示されるのも、下絵が隠され、オブジェクトのみの状態。ただし、「下絵を印刷」を設定することで、下絵もいっしょに印刷されるようになる。
対応する用紙サイズはL判、2L判、B5、A4、はがき。さらに用紙サイズをユーザが定義することも可能。設定により、レイアウトの目安となる補助線を画面上に表示したり、印刷したりすることもできる。
編集完了後のファイルは、独自の「ドキュメント」として保存できる。ドキュメントは複数のページを持つことができ、それぞれのページに異なる下絵を読み込んで、レイアウトすることが可能。ページの削除や順序の入れ替えも行える。下絵を除いた部分だけを画像(BMP/GIF/JPEG/TIFF)ファイルに保存することもできる。