快適化ソフトではおなじみの不要ファイルの削除やファイルのデフラグといった機能は、すでに発生している問題を解消するものだが、「iolo System Mechanic」の場合はそれに加え、パフォーマンス低下を未然に防ぐための機能があり、より多角的・総合的なアプローチでパソコンを快適化できる。そのひとつが「AcceleWrite」。ダッシュボード内の「概要」を見ると、この機能がデフォルトでONになっているのがわかる。この機能では、ファイルの書き込みを最適化することで断片化(フラグメンテーション)の発生を抑え、処理速度の低下を防いでくれる。
そのほかにも、パソコン内で使用しているデバイスドライバのアップデートをチェックし、必要なものをインストールしてくれる機能や、動作速度や安定性の低下につながる不要プログラムを検出・削除してくれる「CRUDD Remover」など、ほかの快適化ソフトではあまり目にしない機能が揃っているところに注目したい。
使い勝手の点では、最適化や修復の自動化をアプリケーション全体ではなく、個々のツールで指定できるのがおもしろい。
パソコン全体のスキャンという形でスケジュール実行するのではなく、メモリの最適化、ドライブの最適化、レジストリのクリーンナップといった項目ごとに自動化を指定するのだが、実行スケジュールそのものはツールに応じて最適なものが自動的に割り当てられるようで、ユーザは細かい設定を行わずにすむ。
さまざまなツールがぎっしりと詰まっているわりに、操作に関するオプションは比較的シンプルなので、ユーザとしてはそう悩まずに使えそうだ。
さらにおもしろいのが、最適化の方法そのものが定義ファイル化されていること。ちょうどウイルス定義データベースがアップデートされることで最新マルウェアに対応していくように、パソコンを快適化する技法そのものも進化してゆくというわけだ。
加えて家庭内での利用であれば、インストール可能なパソコンの台数に制限がなく、1本分のライセンスで済むのも大きな魅力といえる。
(福住 護)