パソコンを長く使っていくうちに、いつの間にか蓄積される不要なファイルやレジストリ項目は、動作速度の低下やトラブルを引き起こす原因になる。また、それ自体は便利なWebアクセスや動画の再生履歴も、場合によっては個人情報が漏れる原因ともなり得る。「Wise Care 365」は、こうした問題を解消してくれるソフトだ。動作速度やレスポンスの低下、クラッシュといった直接的な問題を解決するためのレスキュー的な役割に加え、潜在的な要因を取り除き、問題の発生を未然に防ぐのにも役立つので、タスクトレイに常駐してすぐに呼び出せるところや、スケジュール設定のサポートはうれしい配慮だ。
製品名に「365」という数字が入っていたり、タスクトレイメニューに「PCを毎日ケアしましょう」というメッセージが書かれていたりするのも、日常的なメンテナンスソフトとしての役割を重視していることの表れだろう。
基本的には「PC診断」によるスキャンと修復を行っておけばよいが、なかには個別にマニュアル操作が必要な項目もある。注目したいのは、レジストリの最適化やシステムの軽量化といった機能を備えている点だ。特にシステムの軽量化は、Windowsのセキュリティアップデートのためにダウンロードしたファイルなども簡単に削除できる(より正確には、削除するように提案してくれる)のがうれしい。
アップデート用ファイルは、アップデートに成功してしまえば、以降は不要になるのだが、セキュリティアップデート自体が頻繁に行われることもあって、意外にディスク上で容量を食っていることが多い。これを削除することは、ドライブの空き容量が減ってきたときに有効なテクニックとして知られているが、アップデート用ファイルの役割や保存されている場所をよく知らない人でも、この機能を使うことで安全かつ手軽にクリーンアップできる。
レジストリのバックアップや復元ポイントの作成、診断項目を初期設定に戻すための機能などを備えていることも、初心者にとっては大きな安心材料だ。
(福住 護)