PDF作成ソフトは現在、いわば二極化している状態にある。ひとつは高価な専用ソフトで、こちらは一般ユーザにはとても手が出せない。もうひとつは一般ユーザでも使えるプリンタドライバ型のソフトだが、こちらは基本的には他形式で作った文書の「変換」で、PDFファイル自体を編集できるものではない。PDF形式がもはや電子文書のスタンダードであることは疑う余地はないが、この「誰もが編集できる文書ではない」ことには、大きな不満が残るのも確かだ。「JUST PDF 3」は、二極化した空白地帯を埋め、PDFに対する不満を解消してくれるソフトだということができるだろう。テキストや画像、各種オブジェクトの編集が自在にできるので、既存のPDFをよりよいものにどんどん変えてゆける。「編集には使い慣れたアプリケーションを使いたい」というのであれば、PDFファイルを「一太郎」でも「Word」でもテキストファイルにでも変換すればよい。そして、編集後にまたPDFに戻せばよい。
“PDFファイルを最大限に活用”するために、というか「本来、PDFソフトというのはかくあるべし」と思わせるソフトだ。
(土屋 佳彦)