独特の戦闘システムによるミニゲームと短編小説とを融合させたようなイメージの、やり込み要素も十分な短編RPG。- 行動するたびに、回復手段のないRLPを消費する制約の強いシステム
- 戦闘時のアタックレシオによる攻撃と防御の割り振り
- 融合攻撃
- 敗北時にRLPを512消費することで復活し、HPの完全回復と全能力の25%強化を果たす「這い上がる」
といった要素が複雑に絡み合い、戦略性の高いゲームに仕上がっている。(RLPの消耗を恐れるあまり)エネミーとの戦闘を避け、アタックレシオを上げることなく、通常攻撃だけをひたすら繰り返すか、消費量と効果の損得を計算しながら、時には大胆にRLPを消費して必要な経験値やアイテムを獲得したり、トータルでの戦闘のダメージを減らしたりするか、プレイヤーの性格がよく出るところだろう。レベルアップ時のボーナスは「最大HPの上昇」「攻撃力の上昇」「アイテム獲得」から選べるが、筆者は毎回悩まされた。
初回プレイ時には残りの話数がどれくらいあるのかわからず、どこまでRLPを消費しても大丈夫なのかまったく判断できない。「本当にこれでよいのか」と自問自答しながらプレイを続けるはめとなった。短編のゲームなので、「初回はともかくやれるところまでやる」といった気持ちでプレイするのがよいだろう。通常難易度の「ブロッサム」に比べて、初期RLPが倍用意された「フラグランス」というゲームモードも用意されている。行き詰まったらフラグランスを選択するのもよい。
(秋山 俊)