心優しい少女が、人やモンスターを助けるために冒険するRPG。最もインパクトのあるのは、やはり「戦闘シーンでモンスターを癒す」部分。自分は攻撃されるにもかかわらず、苦しんでいるモンスターに回復魔法をかけて癒し、「相手モンスターを元気にすると勝利」という点が、斬新で印象深かった。難易度は、全編を通して低めに設定されている。ダンジョン内でのエンカウント率は若干高めだが、主人公のレベルがサクサクと上がるので、煩わしく感じない。最初から使える特殊技能も多く、戦闘方法のバリエーションが豊富なのもよい。
ただ、筆者が個人的に注目してほしいのは「主人公の人間性」だ。ストーリーはシンプルで、特に壮大というわけではない。しかし、困っている人を助けるため、自分を危険にさらしながらも奮闘する主人公の姿は、献身的で心が温まる。自分を攻撃してくるモンスターすら癒そうとするその心に、ジーンとしてしまった。プレイ中もプレイ後もさわやかで、気持ちのよい作品となっている。
上でも書いたが、回復にお金がかからなかったり、回復ポイントが多く用意されていたり、ダンジョンから一瞬で脱出できたりと、プレイヤーに優しい仕様になっている。RPGを普段あまりプレイしない人や、難しい戦闘などが苦手でRPGを敬遠していた人にお勧めしたい。総プレイ時間は2時間から3時間程度と手軽。ぜひプレイして、心の洗濯をしていただきたい。
(早川 陽子)