FTPよりも安全性の高いプロトコルに対応している点が最大の特徴だが、だからといって設定や使い方で、特に難しいところがあるわけではない。一般的なファイル転送ソフトに慣れた人なら、すぐに使えるはず。FTPクライアントによく見られる、左右二分割型のウィンドウレイアウトに慣れた人は「コマンダー」を、Windowsに準拠した操作感が好みであれば「エクスプローラ」を選べばよい。「コマンダー」を選択した場合でも、左右のパネル間しかドラッグ&ドロップできないわけではなく、エクスプローラなどからドラッグ&ドロップすることも可能。となると、フォルダ間の比較や同期移動ができる点で、「コマンダー」の方がやや優位といえなくもないが、結局のところは使い方や好みの問題。インストール時だけでなく、あとから切り替えることも可能なので、実際に試してみるとよい。
「WinSCP」は多言語対応なので、ランゲージファイルを組み込むことで、簡単に日本語化できる。ただし、最初に筆者が試用したときは、日本語用のランゲージファイルを選択すると、ウィンドウのレイアウトが崩れて、一部のボタンが操作できなくなる現象に見舞われた。幸いなことに、たまたまランゲージファイルを残したまま、いったん「WinSCP」をアンインストールし、さらに再インストールを行ったところ、その後は正常に表示されるようになった。もし同様の現象に見舞われた場合は、お試しいただきたい。
(福住 護)