サーバとのファイル転送に広く使われるFTPに加え、より安全性の高いプロトコルにも対応したファイル転送ソフト。ドラッグ&ドロップによる転送や同期、ミラーリングなどを行える。「WinSCP」は、ローカルマシンとファイルサーバとの間でファイルの転送やフォルダの管理などを行うためのソフト。操作画面は、
- サーバの設定を登録する「WinSCPログイン」
- ファイルの転送・管理を行う「WinSCP」
の二つで構成される。ユーザインタフェースには「エクスプローラ」風とノートン「コマンダー」風の2種類が用意され、好みに応じて選ぶことができる。起動後に表示されるのは「WinSCPログイン」画面。「WinSCPログイン」では、サーバの設定を登録する(その場限りでよければ、設定を保存せずにサーバにログインすることも可能)。サーバの設定では、ホスト名(サーバ名やIPアドレス)、アカウント名、パスワードを登録することが可能。転送プロトコルはFTP、SCP(Secure Copy Protocol)、SFTP(SSH File Transfer Protocol)から選択できるようになっている(自分が利用したいサーバの仕様に応じて指定する)。FTPを選択した場合は、さらに暗号化の有無を設定できる。SCP/SFTPでは、秘密鍵を指定することが可能だ。
サーバ情報の設定完了後に「ログイン」ボタンをクリックすれば、サーバに接続し、セッションが開始される仕組み。画面が「WinSCP」に切り替わり、ファイルの操作を行えるようになる。
2種類のインタフェースのうち「エクスプローラ」を選択した場合は、左ペインにサーバのフォルダ(ディレクトリ)ツリー、右ペインにフォルダ内のファイル一覧が配置され、ローカル側からファイルをドラッグ&ドロップで転送できる。「コマンダー」では──多くのFTPクライアントソフトに見られるように──ウィンドウが二分割され、ローカルマシンとサーバのそれぞれの内容が表示されるスタイル。双方のリストを見比べながら、操作を行える。
ファイルをドラッグ&ドロップしたあとには、確認のダイアログが表示される。ダイアログではバイナリモードやテキストモードを指定することが可能。バックグラウンド転送機能を利用するためのオプションも用意されている(ダイアログを表示しないように設定することもできる)。
単なるファイルの転送以外にも、
- ローカルフォルダとサーバ側のファイルを同期
- ローカルフォルダの状態を監視し、サーバ側を常に最新の状態に保つように更新(ミラーリング)
などを行うことが可能。「コマンダー」インタフェースの場合は、ローカル/サーバ双方のフォルダの内容を比較したり、一方でフォルダを移動した場合にもう一方も同時に移動(同期移動)させたりすることもできる。そのほか、SCP/SFTPプロトコルを活用するための機能として、
- 公開鍵・秘密鍵を作成するための「PuTTYgen(PuTTY Key Generator)」
- 公開鍵認証時のパスフレーズ入力の手間を省ける「Pageant」
が付属する。