「パーフェリオン・リンク」の魅力は、全6章からなる壮大なストーリーと、とことんこだわることができる戦闘システムにある。20時間以上に及ぶ物語には、個性的なキャラクタが数多く登場し、会話を読んでいるだけでも楽しめる。主人公のクリューガーが、我の強いほかのキャラクタに振り回される様は、「情けないなあ」と思いつつも微笑ましかった。序盤からさまざまな謎が登場し、物語が進むにつれて、それらの謎が解かれてゆく過程には、とてもワクワクした。やり込み要素も充実しており、特に武器の強化やエレメントの収集は中毒性が高い。凝りはじめると、際限なく時間が経ってしまいそうだ。
RPGを遊ぶ上で親切な設計になっている点にも好感が持てた。【Shift】キーで「エレメントメニュー」を開くと、パーティの編成などを行えるが、メニューには「相談」や「旅の目的」といった項目も用意されている。例えば、前回セーブしてから次にプレイするのに時間が空いてしまい、何をしてよいのかわからなくなってしまっても、「旅の目的」をチェックすれば、「●●に向かって××をしよう」というように教えてくれる。「相談」を選ぶと、パーティメンバーがさまざまなアドバイスをしてくれる。そのほかにも移動速度を変更したり、全体マップ表示のON/OFFを切り替えたりすることも可能。自分好みのシステムにカスタマイズして、ゲームを快適に遊ぶことができる。
剣と魔法の世界で繰り広げられる、王道を行くファンタジーストーリーだが、ストーリー、キャラクタ、戦闘システム、すべてにおいて丁寧に作られており、開始からエンディングまで安心して遊ぶことができる。RPG好きな方には、ぜひプレイしていただきたい秀作だ。
(早川 陽子)