結構“使えて”、意外に“楽しい”
TCP/IPコミュニケーションツール特集
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リアルタイムと非リアルタイムに大別される
コミュニケーションツールって何?
コミュニケーションの取り方にもいろいろあるのだが、この種のツールは「リアルタイム系」と「非リアルタイム系」に大別することができる。
リアルタイム系というのは例えばチャット、電子会議などがこれにあたる。1:1か同時多人数参加かは別として、ネットワーク上でリアルタイムに会話ができるのがこの系統だ。ただし、この系統にも二つのパターンがある。サーバを自前で立てるか、外部にあるサーバを使うかに区別される。
自前サーバを立てる場合は、まずサーバとなるマシンを決め、そこにチャットサーバを立ち上げる。プロトコルはTCP/IPを使って各端末のIPアドレス(もしくはNetBIOS名)やユーザ名などを登録しておき、登録ユーザのうちの誰かがマスターとなってチャットルームを開設する。そのチャットルームに対し、各端末のユーザがそれぞれログオンし、会話を楽しむ、といった具合だ。
外部のサーバを使うのは、特定の会社がサービスとして行っているものが多い。例えばMicrosoft Chat(通称Comic Chat)、MirabilisのICQ、あるいは各種IRC(Internet Relay Chat)ソフトなどが有名だろう。こうしたパターンでは社内や家庭内といったLAN内でのチャットではないが、不特定多数の人と広く浅くチャットで遊ぶという向きには適している。
非リアルタイム系の代表がメールやネットニュース、掲示板だ。メールはともかくとして、ネットニュースや掲示板は不特定多数のユーザがそれぞれのスケジュールで勝手に読み書きすることができる。つまり、レスポンスに即時性はない。それが弱点ではあるが、同時に長所でもある。誰もが同時に読むわけではない=誰がいつ読んでもよい、というルールがあるのだ。
選択するソフトについて考えると、リアルタイム系と非リアルタイム系のどちらがどうというものではなく、使い方や環境によっては変わってくるといえる。例えばパソコン数台の家庭内LANで、すぐ隣に机が並んでいるような環境ならば、チャットするより口で言った方が早いだろう。ただし、メモ代わりに使えるネットワーク経由の掲示板、あるいはメッセージポップアップを相手の端末に送りつけることができれば、相手がいないときにメモとして残すような使い方もできる。
これがビルの中のイントラネットとなるとまた事情は変わってくる。社員食堂のメニューについて、リアルタイムで8Fと2Fでチャットしてもいいし(事情が許せばの話だが)、給料が安いという文句を社長の端末に匿名でポップアップさせることも、やればできる。さらには、デートの待ち合わせ場所を他の人にわからないような暗号で秘書課の端末のひとつに届けるとか、プロジェクトチームだけで通用するパスワードを使って掲示板を作るなど、さまざまな利用法が考えられる。
ただし、前提となるのは「全員が同じ環境を共有する」ということ。めいめいが勝手にクライアントを起動しても、サーバが認識しなければ使えない。どういうツールを選択するかによって、イントラネットの使い勝手もずいぶんと変わってしまうのだ。それゆえ誰もが使えて、それなりに便利な機能を持っているソフトが選ばれることになるだろう。
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