最近、「スマートフォン」という言葉を耳にする機会が増えてはいないだろうか? スマートフォンとは、ひと言でいえば“携帯電話とPDAを合体させた”ような端末のこと。パソコンとの連携が強化されており、パソコンユーザにとっては非常に魅力的な端末だ。
日本国内の携帯電話事情を振り返ると、海外の携帯電話に比べて異なる方向性を持って進化を遂げてきた。「携帯電話だけで多くの機能を搭載し、完結させる」というものだ。
しかし、複数の電話機や電話会社を使い分けたり、パソコンとの間でデータをやりとりしたりといった「データの使いまわし」を考えはじめると、とたんに使い勝手が悪くなる。国産携帯電話のPIM機能は、それ自体は多機能ではあるが、外部とのデータのやり取りに関しては貧弱だと言わざるを得ない。
スマートフォンは、こうした端末とは正反対の存在だ。つまり、「パソコンとの連携を前提にし、データの互換性を極限まで高める」という方式。パソコンとの接続ケーブルやソフトが標準で添付されているのも、パソコンとの連携を重視するがゆえである。
こうした考え方のため、スマートフォンは、パソコンと併用することによって、はじめてそのメリットを最大限に活かせるといえる。もちろん、単体でも使うことができるが、やはり真の実力を活かすためには「毎日パソコンと“同期”させつつ使う」というのが王道だろう。
パソコンの普及率が上がり、多くの人がパソコンを使うようになった現在、国内でもこうしたスマートフォンの考え方がようやく注目を浴びるようになってきた。