フリーの“PDF活用ソフト”として人気を博していた「PDF X-Change Viewer」の開発が中止されたのが約2年前。その後は同ソフトの上位版「PDF-XChange Editor」が後継となり、同じく数多くのユーザに利用されている。「PDF-XChange Editor」には、PDF仮想プリンタ「PDF-XChange Lite」(非商用に限り無償で利用できる)が付属し、ライセンスを購入するか否かで、製品版かフリーソフト版かに分かれるようになっている。日本国内の製品版では、2014年12月に株式会社ジャングルがバージョン「5」を「PDF-XChange Editor Pro 5」として発売して以来なので、今回の「PDF-XChange Editor 7」は約2年半ぶりの登場ということになる。
開発元・Tracker Software Products Ltd.のPDF-XChange Editor Version Historyを見るとわかる通り、不具合修正も含めて「PDF-XChange Editor」は頻繁にアップデートされ、しかも追加・強化・修正される項目は毎回、実に多い。
そうした中でのバージョン「7」の大きな目玉はといえば、
の二つだろうか。インタフェースは初期状態でリボンUIになっているが、従来のクラシックツールバーに簡単に切り替えることが可能。しかも自分が使いやすいように、ユーザが自由にインタフェースをカスタマイズすることができる。自動保存・自動復旧機能は、マシンクラッシュや保存操作を行わずに「PDF-XChange Editor」が閉じられた場合に、編集中のドキュメントを復旧できるもの。復旧用のデータが「ドキュメントの回復」ペインに表示され、選択したデータで復旧できるようになっている。基本的なソフトの操作感や使い心地、機能の強力さについては、「PDF-XChange Editor Pro 5」のreviewer's EYEで、福住さんがお書きになっている通りで、直感的に操作できるため、“使い方で迷うようなことはまずないだろう”と感じる。
Tracker Software Products Ltd.によれば、ライセンス購入前で制限なく利用できる機能は約85%(残り約15%の便利機能では、保存時にファイルにウォーターマークが追加されるなどの制限がある)とのことだが、「PDFドキュメントをとことん使い倒したい」という方には、製品版(ライセンス)を購入することを強くお勧めしたい。
(薬袋 壮輔)