とにかく多機能。過剰な表現を承知の上でいわせていただければ、「PDF編集に関してできないことはほぼない」といった印象。非常に強力なPDF編集ソフトだが、その一方で、使う上であまり“難しさ”を感じることがない。使い慣れたOfficeソフト風の画面構成であることに加え、フラットデザインであることも“難しさ”を感じさせないことに寄与していそうだ。「All-in-One PDF編集ソフト。洗練された使いやすさ。美しく、パワフル」というキャッチフレーズに偽りはない。実際に使ってみて、特に印象に残ったのは注釈機能と変換機能の充実ぶり。注釈機能では、ハイライトはテキストハイライトだけでなく、エリアハイライトも使うことができるし、変換機能は、計18種類のファイル形式に対応する。変換時に画像の解像度を指定したり、OCR機能の適用範囲(すべて/スキャンされたPDFのみ/OCR機能無効)を指定したりもできる。
キャッチフレーズは「PDF編集、変換、作成、閲覧、OCR、注釈付け、フォーム作成、安全保護……高性能でコスパ抜群」と続くのだが、注目すべきは「コスパ抜群」の部分。メーカーサイトには「PDFelement 6を比較する」という、主要他社製品と「PDFelement 6」とを比較した一覧表が掲載されている。それぞれの製品に搭載された機能が一目瞭然だが、表の一番上「税込価格」では、「PDFelement 6」がほかの三製品に比べてかなり安い。とはいっても「Pro」ではない通常版でも、パッと手を出せるほどの価格ではないが、「PDFelement 6」が相当にコストパフォーマンスがよいことはわかる。少なくとも「現在、PDF編集ソフトの購入を検討している」という方には、「PDFelement 6」が有力な候補になることは間違いないだろう。
ライセンス購入前は、編集後の保存ファイルに「PDFelement」の透かしが入るなど、一部機能に制限はあるものの、メーカーサイトからダウンロードしてお試しはできるので、ぜひ、試してみることをお勧めする。なお、12月6日現在、ダウンロードできるファイル(pdfelement6-pro_setup_full3034.exe)は、プロキシ接続環境でのインストールおよびアップデートには対応していない。オフライン・インストール・プログラムは、https://pdf.wondershare.jp/user-guide/download-install.htmlからダウンロードできる(メーカーサイトの「FAQ」→「インストール・アンインストール」→「インストールするとき、ずっと0%のままで、インストールができません」を参照のこと)。
(橘 雅)