音質のよさで人気のメディアプレイヤー「JRiver Media Center」などにより、「ハイレゾ」「ハイレゾ音源」という言葉もさほど耳新しいものではなくなったが、それでもまだハイレゾ音源再生の難しさにハードルの高さを感じたり、そもそも聴きたい楽曲がハイレゾ化されていなかったりといった方も多いだろう。そんな状況で登場してきたのが「CurioSound」。メーカー曰く“Windowsパソコンでカジュアルにハイレゾを楽しめるハイレゾ対応サウンドプレイヤー”だ。手持ちの普通のCDなども、ごく簡単な操作で“ナチュラルに”ハイレゾ相当の高音質で再生できるようになるという。
実際にインストール・起動してみて、おそらく多くの方が驚くのが、あまりにシンプルすぎる構成だろう。環境設定画面で設定できるのは、「ライブラリ表示」「ハイレゾ化保存」の二つのフォルダと、「ハイレゾ化保存フォーマット」などの三つの項目、そして「CD取り込みと同時にハイレゾで保存」オプションだけ。特に問題がなければ、これらの設定項目は初期状態のままで差し支えなく、そうするとユーザが操作するのは、再生コントローラーパネルと「ハイレゾサウンドで聴く」か否か、「ハイレゾで保存する」か否か程度しかない。パラメータ調整のスライダーなどはそもそも存在しない。これなら確かにパソコン初心者やオーディオ初心者でも迷いようがない。
肝心の「ハイレゾサウンドで聴く」の効果だが、短時間の試用ながら、普通の音楽ファンである筆者の耳には十分に満足感が得られるものだった。メーカーの表現通り“ナチュラル”によい音質で聞こえてくる(詳細な比較実験結果は、例えば【藤本健のDigital Audio Laboratory】CD音源やMP3もハイレゾ化。デジオンのシンプル再生ソフト「CurioSound」を使った - AV Watchなどを参照されたい)。もう少し音を調整したいという場合は、イコライザが用意されている。
……というわけで、結論を申し上げれば、3,000円ちょっと(2017年8月10日現在)でこの高音質を手に入れることのできる「CurioSound」は、間違いなく“買い”だ。
(由利 知里)