ソフトの説明に「高価なシミュレーションの前に無料の地図をお試しください。レジストリへの書き込みはありません。気軽にお試しください」とあるが、まさにその通り。ソフト本体は無料、データも無料(国土基本情報は有償だが)。それでいて、これだけ高精度なDXF形式地図を手軽に作成できるのだから、少しでも地図に興味のある方なら、使わない手はない。「興味はあるけど、使い方が難しそうだな」という方も心配はない。全82ページにも及ぶ詳細なマニュアル(VectorMapMakerManual.pdf)が付属し、「準備」からはじめて、「作成」(ア)とにかく作ってみる、(イ)図面の閲覧、「標高データの入手」……と、記載された通りに進めてゆけば大丈夫。ダウンロードするデータファイルの容量が大きすぎたり、描画する地図の範囲が広すぎたりすると、処理に時間がかかるが、気をつけなければいけないのはこの点くらい。説明された手順通りに進めてゆけば、美しいベクトルデータの地図が完成する。
マニュアルには作成例も数多く掲載されている。これを見れば、選択した表示項目や設定したパラメータ次第で、実に多彩な地図を作成できることがわかるだろう。
なお、本ソフトは「MapMaker」シリーズ(「VectorMapMaker」のほか、「RasterMapMaker」「ShapeMapMaker」)として、“GIS(Geographic Information System:地理情報システム)の専門ユーザでなくても気軽に利用が可能と思えるソフト”であることが評価され、「電子国土功績賞2014」を受賞している。
(今玉利 碧)