毎日のメールチェックは欠かせないものですが、毎回、メールソフトを起動するのは手間がかかるし、「ちょっとメールの中身を見たいけど、未読にしておきたい」といった場合もありますよね。なので、自動的に新着メールを知らせてくれて、中身もちょっと覗ける軽快なツールがほしかったわけです。これが「MailPeeper」開発の動機であり、目指したのは「毎日使うための“使いものになるツール”」でした。開発中に苦労した点は「ほしい機能を搭載していくと、使い方も複雑になってしまう」ことでした。できれば多くの人が使える簡単な作りにしたいと考えました。それが「MailPeeper」開発の基礎となっていると思います。「高機能でも、いかに直感的に使えて、便利だと感じられるか」──それを考えながらUI(ユーザ・インタフェース)を設計していきました。ある機能を使ったとき、使い方と効果がすぐに理解でき、操作も心地よく、その機能をまた使ってみたくなるような気分を与えられるか? これは人が毎日使うソフトウェアに大切なことであると、自分自身がツールを使ってみて感じることでした。
近年のネット社会では絶えることなく新手の脅威が現れ、その手段にメールがよく使われているのが実情です。「MailPeeper」もメールチェックという役割と、もうひとつ迷惑メール削除という、ユーザの助けとなる機能を搭載してきました。この機能の汎用性を高めると、より万能で強力になりますが、かなり使い方が難しいツールになることが予想されます。この点についてパソコンを使いはじめた人から上級者までをカバーするのが課題です。
現状では、パターンマッチングの基本的な機能を提供し、ユーザのみなさんには少し頭を使っていただくことで、有用な迷惑メール削除ができるのではないかと思っています。そのときにぜひ、感じてもらいたいことは「自分の知恵で迷惑メールを処理できた」という爽快感のようなものです。ソフトウェアに人が使われるのではなく、知的に使いこなすことができてはじめてツール(道具)として役立つものになります。ネットに対して怖がるだけでなく、自分主体で活用するライフスタイルを支えるために「MailPeeper」を発展させることができればと思います。
「MailPeeper」の開発でやりたいことはまだまだありますが、少しずつバージョンアップしながら、変化するネット社会環境にも対応していきたいと思います。これからも長く使い続けてもらえればうれしいです。みなさんは、知人などからはじめてメールをもらったときの気持ちを覚えてらっしゃいますか? それは恐れではなく、期待やうれしさではなかったでしょうか。いまではいろいろなメールがたくさん届きますが、そんな中でも、たまには幸せを告げるメールを青い鳥がみなさんのもとに運んでくれますように。
(Tea)