RPGの基本にかなり忠実に作られた、正統派の長編ファンタジーRPG。修道院襲撃犯の追跡からはじまった物語が、一見関係がなさそうな事件に巻き込まれるたびに、どんどん大きな話へと膨れあがってゆく。パーティメンバーが徐々に増えてゆくのにも──お約束の展開かもしれないが──燃えるものがある。それぞれのキャラクタの能力にはクセがあり、個性的な点も戦闘をおもしろいものにしている。戦闘のウェイトはかなり大きく、それなりの手間と時間が必要。「戦闘には興味がなく、ストーリーだけを追いかけたい」という方には少し厳しいかもしれない。戦闘が連続することも多く、途中でセーブできない場合が多いことも要注意だ。
戦闘では、魔法攻撃の威力が通常攻撃よりもかなり強く、特に全体攻撃魔法が非常に便利だが、魔法を使用できない縛りプレイも頻繁に発生する。実際に登場人物のセリフでも警告が発せられるが、魔法に頼りきったプレイをしているとハマってしまう。MPの回復手段が限られていることも、魔法に頼りきった場合の危険性を高めている。
逆に、魔法に頼りきらず、戦う相手に応じて適切な武器を使用し、敵と相性のよいキャラクタを戦闘に参加させ、適切に特技を使用すれば、戦闘はかなり楽になる。
最後に、「コマンド記憶」をONにして戦闘を行っていると、「特技」を使用した次のターンに「魔法」が選択される点が気になった(バグなのかもしれない)。
(秋山 俊)