実に斬新かつおもしろいホラーアドベンチャーゲーム。画面の雰囲気も操作もシンプルだが、ユニークなアイデアが随所に詰まっており、最後まで飽きることなく、楽しくプレイできた。そもそも「映画の中に紛れ込んだ余計なものをパソコンソフトでクリーニングする」という着想がすばらしい。ゲーム画面は、デスクトップ上でアプリケーションを使用しているデザイン。映画はチャプター1からチャプター12までで構成されている。ゲーム画面上に表示されるムービークリーナーを使って、通して再生することも、チャプターを指定して再生することもできるようになっている(未プレイのチャプターを飛ばして再生することはできない)。
再生される映画がホラー映画のフォーマットをきちんと踏襲しているところもニクい演出だ。当然、女優のシャワーシーンも存在する。ホラー映画といっても決してグロくも恐くもない。その手の作品が苦手な人でも普通にプレイできると思う。
ホラー映画だけに、脅かし要素だらけの画面を見ながら、「いったいいつ、紛れ込んだものがヒロインの命を奪いに来るのか」と待ち構えるのが楽しかった。
クリーニングが間に合わず、ヒロインが死んでも特にペナルティなどはなく、その点は気軽。想定プレイ時間は1時間から2時間程度。余計なモノをすべてクリーニングし終えたあとには、オマケも用意されている。ぜひ、エンディングまでたどり着き、最後のオチを見ていただきたい。
(秋山 俊)