シンプルな外観ながらも、多彩な機能を備えたテキストエディタ。キーワードの強調表示、編集個所の移動に便利なブックマークやカーソルトレース、プロジェクト管理、一括検索など、多数のファイルを効率よく参照・編集するための機能が揃う。入力・編集関連では、定型文挿入、クリップボード履歴といったおなじみの機能のほかに、すでに入力済みのワードをリストから選択することで繰り返し入力の手間を省ける「入力補完」機能があり、命令文やデータを繰り返し入力するような使い方には特に向いている。
ヘルプには特に記述がないようだが、複数行を選択すると、グループ化して折りたたむ(非表示化する)機能があり、簡単ながらアウトライン機能のような使い方をすることもできる。折りたたんだブロックを展開すると、選択行の設定が解除されてしまうようなので、同じ個所で頻繁に折りたたみと展開を繰り返すような使い方は苦手のようだが、使い方次第ではなかなか便利そうだ。
文書全体の構造を見渡し、スピーディな編集を可能にするという点では「コードエクスプローラ」もおもしろい。キーワードなどを自動判別し、別ウィンドウに見出し一覧風に表示する機能で、リスト上のアイテムをクリックすると、当該個所にジャンプしてくれる。インクリメンタルサーチ対応の検索ボックスがあり、数文字を入力するだけで候補を絞り込んでくれるほか、編集中の文書(タブ)に応じて、コードエクスプローラでもタブを使い分けることができる。
このように文書全体を効率よく参照するのに便利な機能が揃う一方で、行の折り返し表示や禁則処理などには対応していない。ひとくちにテキスト編集といっても、原稿執筆のような長めの文章を扱うよりは、やはりプログラム言語の編集で最大の威力を発揮するのではないだろうか。
(福住 護)