バックアップというと「パソコン内のデータを外部のハードディスクやリムーバブルメディアに保存する」というイメージが強いと思うが、「Acronis True Image」では、クラウドストレージを活用して、実に多様な使い方を可能にしているところがユニークだ。まず、基本的なところではクラウドへの単純なバックアップ。これは手ごろな外付けハードディスクなどを持たない方でも、手軽にデータを保管できる。外付けハードディスクとクラウドへ二重にバックアップしておけば、より安心だ。
クラウドに保存したデータはWebにログオンして管理するが、管理画面に複数のパソコンやモバイルデバイスを登録しておけば、離れたところからパソコンを操作する遠隔バックアップや複数デバイスの一括管理が可能となる。
特にモバイルデバイスの場合は、Wi-Fi経由でのクラウドへの自動バックアップ、そこからさらにローカルパソコンへのバックアップといった使い方が可能。管理できるモバイルデバイスの数は無制限で、家族全員分のデータをまとめてバックアップすることもできる。
そのほか、Facebookへの投稿やアップした写真などもバックアップすることができ、これまでの「バックアップ」のイメージを大きく塗り替える、新たな使い方を提案している。
「Acronis Cloud」の管理画面では、登録しているデバイスの状態を把握する「リソース」のほかに「ファイル」「共有」「ストレージの状態」が表示される。このうち「ファイル」は、さらに「バックアップ」「アーカイブ」「同期」の各グループに分けてデータが表示される。この三つのグループは、実行した処理に応じて自動で振り分けられるようになっており、ユーザが特に管理する必要がないのはありがたい。
同期によってコピーされたファイルは、共有を設定することにより、ほかのユーザ宛てにリンクを送信したり、ダウンロード回数を確認したりすることも可能。こうした点でも、単なるバックアップの保存先とはひと味違う性格が感じられる。
機能面以外では、インストールするパソコンの数やライセンスの期間、「Acronis Cloud」の容量など、利用スタイルに応じてさまざまなプランを選べるのも大きな魅力だ。
(福住 護)