ソフトを開発しようと思った動機、背景
高品質な音声合成を手軽に扱えることを目指した「CeVIO Creative Studio」ですが、イベントでユーザの方と話す機会があり、ソング機能に関していろいろな課題を指摘していただきました。また同じ頃、トーク機能に関しても「プロが使うためには」という視点のご意見もお問い合わせに届いていました。それまで毎月の更新でこまめな改善を続けていましたが、ユーザのみなさまの期待に応えるためには大幅な機能向上が必要と考え、大型アップデートを行うこととしました。数度の大型アップデートを経た現在のバージョン「5.0」は、手軽にも本格的にも扱える、幅の広いソフトにできたと思います。
開発中に苦労した点
大型アップデートにあたっては、ユーザのみなさまにご協力いただき、ベータテストを実施することにしました。最初の大型アップデートとなったバージョン「3.2」では、ソングのパラメータ調整などの待ち時間解消を目指しました。これは、内部的に順番に計算していた部分を並行して処理することで、待ち時間を隠蔽するものでした。
この変更は予想以上に影響が大きく、ベータテスト中は不安定な状態が続き、毎日のようにベータバージョンのアップデートを行う状況でした。ベータテストに参加していただいたみなさまには大変ご迷惑をお掛けしてしまったのですが、それでも積極的に不具合報告してくださる方々のおかげで、不具合は解消してゆき、現在バージョンの安定動作にも繋がっています。
その後のベータテストにも多くの方に参加していただいて、「CeVIO」を応援してくださるユーザのみなさまには、本当に頭の下がる思いです。
ユーザにお勧めする使い方
新機能の中では地味ですが、セリフ入力後の自動試聴は便利だと思います。これにより、あらかじめ入力した台本を順に再生したり、リアルタイムにセリフを入力して音声再生したりすることができるようになりました。トーク機能は投稿動画にもよく利用されていますが、自分の声の代わりやバーチャルな相方として生放送などにも活用していただければと思います。
また、画面右上のキャラ表示を、キャストごとにユーザ画像も指定できるようになりました。ユーザの中には、「CeVIO」キャラのイラストを公開されている方がおられますので、そうした画像を反映してソフトを好みの雰囲気に変えて楽しんでもらえたらと思っています。
今後のバージョンアップ予定
この1年はソフト本体の改良に取り組んできましたが、今後は英語や中国語などの新ボイス、日本語の新キャラも登場する予定です。もちろん、ソフトの改良についても引き続き取り組んでゆきますので、ぜひご期待ください。
(CeVIOプロジェクト・川出 陽一)