桜の描写が美しく、ちょっと切ない、ストーリー重視のアドベンチャーゲーム。主人公「翡翠」をはじめとしたキャラクタの立ち絵は美しく、ゴリラなどの敵キャラのデザインにも独特の味がある。背景やマップのデザインも秀逸だ。ホラー“アドベンチャー”と謳われているものの、筆者には、ややアクションゲーム寄りに感じられた。とはいってもゲーム中で難易度を選択することが可能で、「簡単」や「イージー」を選べば、アクションゲームがあまり得意ではない人でも十分クリアできるのではないだろうか。謎解きも難易度は控えめで、最悪、力技の総当たりでもなんとかなる。
しかしながら、ゲームそのものはいずれもよく考えられている。逃げ中心でありながら、3種類の異世界で内容や印象が被らないよう工夫され、それぞれの異世界の中でも、例えば前半と後半とで内容が大きく変化するように配慮されている。
最後までプレイして、エンディングまでしっかりと見届けていただきたい好ゲームだ。
(秋山 俊)