リネームの基本的な規則を「メソッド」という形で選択できるようにし、さらに複数のメソッドを組み合わせることで複雑な処理も比較的簡単に設定できることが特徴。それでも足りなければ、正規表現を使ったり、JavaScriptで処理したりすることもできるし、プリセットからのメソッド選択やコマンドラインからの実行といった機能は、大量の処理を頻繁に行う業務にも好適だ。さらにリネームだけでなく、ファイルのコピーや移動、プロパティやタイムスタンプの変更といった機能もあり、ファイル管理全般の省力化に役立つ。
メソッドが非常に充実しているが、まずは「新しい名前」「除去」「パターン削除」「番号の振り直し」「置換」あたりを押さえておくとよい。一定パターンでのリネームができない場合や正規表現になじみがない場合でも、リストを使うことで一括処理が可能になるので便利だ(ファイル名自体はひとつずつ指定する必要がある)。
メソッド内の細かい指定は、タグ(メタ文字)を使うものと、数値を指定するものとに大きく分けられる。デフォルトタグでは、ディレクトリ名(保存先フォルダ名)や拡張子などを利用できるが、それだけでなく画像ファイルのExif情報やMP3ファイルのID3タグ、ジオタグ、タイムスタンプなどをタグとして利用することが可能。これらのタグは、イメージタグやID3/MP3タグといった種類ごとにリスト化され、クリックするだけで入力できる(もちろん手入力も可能)が、複数のタグをセットにしたパターンもいくつか登録されており、そのまま利用したり、一部を書き換えて使ったりしてもよい。
数値指定のパラメータであっても「スキーマ」というオプションを使うことで、タグとの組み合わせによる指定ができるようになるようだ。
設定項目が多岐にわたり、複雑な印象も受けるが、幸いなことに多言語対応で、簡単に日本語化できる。リネームソフトにある程度慣れた人なら、基本的な操作はそう難しくはないだろう。実に多機能で、使いこなしがいのあるソフトであることは間違いない。
(福住 護)