“高いウイルス検出率”と“軽快な動作”が特徴の総合セキュリティ対策ソフト。「ESET ファミリー セキュリティ」で利用できるソフトのうち、Windows版の「ESET Smart Security」が「9.0」にバージョンアップし、「インターネットバンキング保護」機能が追加された。「ESET ファミリー セキュリティ」は、家族で利用するパソコンやモバイル機器をウイルス、不正アクセス、有害サイト、フィッシング詐欺などから守る、ファミリー向けの総合セキュリティ対策ソフト。デバイスの紛失・盗難時に情報の保護や発見を助けるアンチセフト機能、ユーザに応じてWebへのアクセスを制限する保護者機能なども搭載する。新バージョン「ESET Smart Security 9.0」では、「インターネットバンキング保護」機能が追加されたほか、悪意のある通信をより確実に検知・遮断するために「ボットネットプロテクション」の機能強化が図られた。
中心となる機能は、
- ウイルス・スパイウェア対策
- フィッシング詐欺対策
- 不正侵入対策
- 迷惑メール対策
- 有害サイトアクセス対策
の五つ(Mac版、Android版では一部未対応の機能もある)。Windows版ではさらに「ボットネットプロテクション」「エクスプロイトブロッカー」「アドバンスドメモリスキャナー」「バルナラビリティシールド」の各機能を搭載する。「ボットネットプロテクション」は、パソコン内に潜伏して、外部からの指示で活動する「ボット」を検出し、不正なサーバへのデータ流出などを防ぐ機能。「エクスプロイトブロッカー」では、アプリケーションの脆弱性を利用した不正行為を検出・遮断することが可能で、Javaの脆弱性にも対応できるように強化された。「アドバンスドメモリスキャナー」は、暗号化されたウイルスの活動を検知し、「バルナラビリティシールド」は、脆弱性を利用した攻撃からパソコンを守る。
起動後に表示されるホーム画面では、保護の状態やライセンスの期限、前回のアップデート日時などの基本情報を確認することが可能。「コンピュータの検査」画面では、ローカルディスクの検査、リムーバブルメディアの検査、カスタム検査を行える。カスタム検査は、検査対象のドライブや検査方法が登録されたプロファイルを選択して実行できる。
検査に関する詳細オプションでは、スキャンの除外対象や駆除レベル、システムメモリやブートセクタなどの検査対象を指定することが可能だ。
保護レベルに関する設定は、
- コンピュータ保護
- インターネット保護
- ネットワーク保護
- セキュリティツール
に大別される。「コンピュータ保護」では、リアルタイム保護の対象や検査タイミングの指定、HIPS(ホスト侵入防止システム)に関する設定(エクスプロイトブロッカーはここに属する)、ゲームモードのON/OFF切り替えを行える。
「インターネット保護」では、「Webアクセス保護」「電子メールクライアント保護」「迷惑メール対策」「フィッシング対策」を設定することが可能。「Webアクセス保護」では、URLごとのアクセス許可やブロック指定を行うことが可能。「電子メールクライアント保護」「迷惑メール対策」はオプション設定画面が共通。送受信メールのスキャンに加え、ウイルスメールに対する処理方法や検査対象のプロトコルの指定、迷惑メールの自動仕分けや通知方法に関する指定、さらにはホワイトリスト/ブラックリストの管理などを行える。
「ネットワーク保護」では、「パーソナルファイアウォール」「ネットワーク攻撃保護」「ボットネット保護」のON/OFFを切り替えたり、フィルタリング設定の編集を行ったりすることが可能。接続しているネットワークの情報や、攻撃元と判断されたIPアドレスの一覧とその理由を確認することもできる。ファイアウォールのトラブルシューティング(ブロックされた通信の表示とブロックの解除)機能を利用することも可能だ。
「セキュリティツール」では、「インターネットバンキング保護」「ペアレンタルコントロール(保護者機能)」「アンチセフト(パソコンの盗難・紛失時のデータ保護と検索)」の設定を行える。「インターネットバンキング保護」は、オンラインバンキングやWeb上での決済システムを利用する際に個人情報を保護してくれるもの。「ペアレンタルコントロール」は、Windowsのユーザアカウントに対してアクセス可能なWebサイトを制限する機能。年齢やサイトのジャンルで簡単に設定できる。例外設定にも対応する。「アンチセフト」は、あらかじめモバイル機器を登録しておくことで、紛失・盗難時にデバイスの場所を追跡できる機能。デバイスの利用状況をネット経由で監視したり、発見者に対してメッセージを送ったりすることも可能だ。
そのほかにも、
- イベントログの表示
- マルウェアや迷惑メールの統計情報の表示
- ネットワーク接続の通信量やファイルアクセス量の監視
- 実行中のプロセスに関する情報(リスクレベルやユーザ数)の表示
- システムの詳細情報の作成と表示
- レスキューCDの作成
- アップデートやログの保守に関するタスクスケジュール設定
- 疑わしいファイル、不審なWebサイト情報などを検査用に提出
- 隔離しているオブジェクトの一覧表示と復元
- SNSに投稿されるリンクの安全性をチェックできる「Social Media Scanner」
など、多彩な機能を搭載。さらに、警告・通知表示のカスタマイズ、設定全体のパスワード保護、設定のインポート/エクスポートなども行える。「ESET ファミリー セキュリティ」は、Windows(ESET Smart Security)、Mac(ESET Cyber Security Pro)、Android(ESET Mobile Security)の各OSに対応し、計5台までのデバイスにインストールできる。